聖騎士吸血鬼の伝説33 ノースポイント-さまよう影-

elonaプレイ日記月明かりの祝福『アドニス』



アドニス「これは…」
あなたはカードを拾った。あなたは嬢のはく製を拾った。あなたは嬢の死体を拾った。

ミア「確か…紅き刃『ニスドプレ』でしたっけ?周辺のモンスターにやられちゃったみたいですねー」

デイビッド「可哀想に。せめて遺品を回収してやりましょう。肉もじっくりと味わって…いや、筋力と耐久を伸ばすなら、アニキの方が良いっすよね」

ルシアン「えっ!?いや、俺はいいよ。遠慮なく!」

アドニス「ルシアンは相変わらず人肉が苦手だな。美味いのに…」

ミア「ホントそうです~」

デイビッド「血がよく滴る肉はビアと最高の組み合わせでやすのに、食べれないなんてもったいないですぜ~」

ベアトリクス「うーん…人それぞれの好みがあるから、あんま無理を言っちゃダメだと思うよ」

ルシアン「ベアさん…!そうだよな~」

ベアトリクス「私も人肉好きだけど」

ルシアン「ええ…」

 

~お店~


アドニス「…これで良し」
やり遂げたように、少年は誇らしげに呟く。その眼前の商品棚には先刻の頑張るお嬢様のはく製とカードが置かれていた。

ルシアン「ええっと、これはどういうことで…?」

アドニス「ぬ?果敢に戦った彼女の勇姿を多くの人々に見てほしいと思ってな。ここなら、よく見られるだろう。しっかり非売品にしているぞ」

ルシアン「は、ははは…。そっか~、そうなんだ」

デイビッド「ククク…ボスは時おり、サイコーでやすね」

ミア「ドニちゃんはいつも最高ですよー?」

ルシアン(こえーよ…)

 

思わぬ形で入手した頑嬢のはく製とカードをどうしようかな~…と考えた結果、店に飾ったのだが。うん、サイコパスだな。

 

~ノースポイント拠点~


ルシアン「わお!大盛況じゃないか。こんなに冒険者がいるなんて」

デイビッド「クックッ。アッシたちが様々なネフィアを開拓した影響でしょうね」

アドニス「そう…だろうか?」

ルシアン「きっとそうさ。俺たちが厄介なボスをどんどん倒したから、探索しやすくなっているんだろ。だからさ、今回も張り切っていこうぜ!」
飄々と笑顔を浮かべるルシアン。その顔にアドニスは安心感を覚える。次々と仲間たちが倒れていく…そんな恐ろしい悪夢など起こらないと、そう思えるのだ。

アドニス「言われるまでもない。準備はしているからな」

 

PCがよく訪れる街に冒険者の出現率が上がる。と知っているが…ここまで同じ場所に集合しているのは驚くわ。

 

~悪夢の戦場~


アドニス「あれは…」
ニスドプレ「ほーほほほっ!わらわは紅の刃『ニスドプレ』じゃ!次に会った時はお主を殺すと、当然覚えておるじゃろう!」

ルシアン「ミンチになっていたけどな」

アドニス「美味だったな…」
ニスドプレ「はうぅっ!?わらわのあんなところやそんなところを見られて、すべて頂かれてしまったと!?ちぇ、ちぇすとおおおおおおおおおおおっ!!!」
恥じらう乙女は走り出す。白い頬を赤く染め、目尻に一筋の涙を零して。ギュッと閉じられた目蓋によって、先にあるものが見えず…


『ニスドプレ』は罠にかかった!*チュド-ン!*『ニスドプレ』は悲痛な叫び声をあげた。

アドニス「大丈夫ですかっ!?」
ニスドプレ「だ、大丈夫でごわす~…わらわは頑嬢ですじゃ~…」

アドニス「本当に大丈夫だろうか…」

ルシアン「ちょっと心配だけど、頑張るお嬢様は這い上がるほど強くなるって聞くし。まあ、大丈夫だろ。それに俺たちの目的を達成した方が、辺りが安全になるんじゃね?」

アドニス「うむ…。いや、少し待ってくれ」
そう言ったアドニスは懐から薔薇の刺繍がされたハンカチを取り出し。傷つき、血で汚れたお嬢様の手に丁寧に巻いていった。

アドニス「…これで良し」(これなら、いざという時に武器を振るえるだろう)
ニスドプレ「…っ!!!!…わ、わらわ……お主を殺す!」

アドニス「えっ!?」

ルシアン(殺し文句にお返しするって意味かな~…?)

 

~最下層~

階段を降りると、一行を覆うほどの大きな影があった。タイタン、ヴァルナ。見上げるほどの巨大なモンスターたち。荒々しくこちらを睨む眼には友好など無い。とある話では、零落した神の子孫であり。信仰を忘れ去られたことを恨んでいるらしい。だが、なんであれ。殺意を向けるなら倒すべき敵だ。

アドニス「相手は見てとおり強大だ。しかし、何度も戦った知った相手だ。つまり…いつもどおりにやるぞ!」

ルシアン「おう!いつもどおり皆でミンチにしちゃうぞ~」

アドニス(そう。問題なのは…)
悪夢の記憶を思い浮かべ、少しだけ南に移動する。あの不気味な影は北から現れた気がする。今の、囲まれた状態で遭遇するのは危険だろう。


だが、そこに朽ちた黒いローブを纏った影…死神の使いが現れる。闇に沈んだフードの下から呪いの言葉を吐き…アドニスたちに死の宣告を与えていく。けれど、少年の顔に浮かぶのは恐怖ではなく、不敵な笑いであった。

アドニス「俺は知っている…!」


少年は”準備”していた炎の衝撃の杖を振るう。放たれた火の渦が真っ直ぐと死神の使いに命中し。真っ赤に燃やす。散っていく灰を確認すると、アドニスはもう1体いる死神の使いにも同じように炎を放った。

アドニスヒャッハー!消毒だー!をな」

デイビッド「派手にやりますねえ、ボス!」

ルシアン(過去から学び得た成長…と喜ぶところなんだろうか?)

アドニス「また死神の使いが出たら、俺に任せてくれ!」

ベアトリクス「ふふ、アドニスくんに全部燃やされちゃうかもね」

ミア「ドニちゃんになら、もうボクのハートを…」

アドニス「ハートを?」

ミア「ふえぇ!?なんでもないですよー」

アドニス「…?」

 

敵は血だまりになり。辺りは静かになってきた…だが、まだ終わってないと。少年は理解していた。夢で見た禍々しい影が、まだどこかにいる…。待つより、こちらから迎え撃つ。そう判断したアドニスは動いた。

轟音ハウンド「ばう!」

アドニス「驚いた…戦場にこんな癒しがあるなんて」

ルシアン「いや、坊ちゃん!そいつ、敵対してるって!」
轟音ハウンド「ばううぅっ!!」
雄々しく猛り、轟音ハウンドは音のブレスを吐いた。

アドニス「ははは。愛いな!」

ミア「ふええ~!ボクは怖いです~」



アドニス「…っ!」
愛らしい(?)犬に和む少年は殺気に気付くが、既に死の宣告を与えられていた。闇が燃えるような、ゆらめく影がこちらを見て笑っている。その形は、剣と盾を携えた騎士のように見えるが…その相貌に浮かぶのは禍々しく裂けた目と口だ。悪意の騎士『ブラムド』。遥か昔、この地で大国の一軍が何者かによって壊滅したという逸話があるが…この不気味な影の仕業なのだろうか。

アドニス(こいつには火炎耐性があるな…)
死神の使いと同じ対処は通じないだろう。だが、周辺のモンスターはほぼ殲滅した。皆、集中して戦うことが出来るはずだ。それに死の宣告を無効にすることができる浄化の杖も全員に渡している。

アドニス(自信はある…きっと皆となら)



ルシアン「いっちばーん拳ぃー!」
しなやかな獣のようにルシアンは素早く接近し。ブラムドに拳を叩き込む。鉄がぶつかり合うような大きな音が響いた———!

ルシアン「って、うおっ!?思っていたよりかってぇーな!」
ブラムド「死ねぇ!!ボケ眼鏡ぇ!」

ルシアン「おまけに口が悪いぜ、こいつ!眼鏡はセクシー眼鏡だろうーが!」

デイビッド「わかりますぜ!アニキー!」

アドニス「何を話しているんだ…」

ミア(ボク…セクシーかな?)
轟音ハウンド「ばう!」

ミア「ふえええっ!?おどかす悪い子はお仕置きですー!」


矢は轟音ハウンドに命中し再起不能にした。

ミア「ふふん!ざぁこざぁこで…ぴゃあっ!?」
ミアは悪意の騎士『ブラムド』に『悪意ある大剣』で切られた。ミアは回復した。ミアは吐き気を催した。ミアは毒におかされた。
ブラムド「チッ…小蠅を叩き損ねたか」

ミア「ひどい!ひどいですー!可愛いボクにそんなことを言うなんて~!」

アドニス「ああ。まったくそのとおりだ。ミアは愛らしい半妖精だぞ」

ミア「ふええ…そ、そんなボクのことを…!」

ベアトリクス「…アドニスくん、またお迎えが来ているようだよ」

アドニス「ぬ?」


死神の使いだ。まだ潜んでいるとは…。以前、探索した死病の遺跡と同様。多くの屍が眠る場所を棲み処として好んでいるのか。それとも、彼らの仕業によって、死に澱んだ場所が作られていくのか…どちらにせよ。

アドニス「静かに眠ってくれ」


ボルトは死神の使いに命中し燃やし尽くした。
炎が爆ぜる音と共に、全員にかかっていた死の宣告が解除される。しかし、ブラムドによって再び死の宣告を与えられるだろう。

アドニス(だが、その間は攻撃をしてこない。僅かな間だろうが、ダメージを与えるチャンスだ)

 

読みどおり、ブラムドは死の宣告を唱える。その隙に…ルシアンは拳を叩き込み。デイビッドは銃弾を浴びせ。ベアトリクスは様々な攻撃魔法を放ち。ミアは幻惑の矢を撃つ。アドニスはバフが切れないように鼓舞し。そして———

ルシアンは悪意の騎士『ブラムド』を殴って殺した。

ルシアン「いえーい!」

アドニス「いえい!」
向けられた両手に少年も手を広げて合わせる。小気味よい音が響き。皆もそれに続くようにハイタッチしていく。達成感と高揚、ごく自然に笑顔が溢れていた。その声を聞くまでは、

ジル「おめでとうございます。坊ちゃま」

アドニス「……ジル兄?」
その登場はあまりにも唐突で…。アドニスは理解が追いつかないという様子だ。ポカンと呆気に取られた視線の先には、赤い髪の魔術師が立っていた。父の部下である彼は時々、連絡係として現れるが…いつもは自宅や街など落ち着いた場所で。こんな慌ただしい…探索中のネフィアに来るのは初めてだった。

ジル「申し訳ありません。あまり邪魔をしないように言われているのですが…マスターに、坊ちゃまのお父様に急ぐように言われましたので」

アドニス「父上に…?父上に何が…!」
ジルの言葉にアドニスはみるみる青ざめていく。脳裏に浮かぶのはあの悪夢…赤い剣に刺された父親の姿だった。

ジル「はい?お父様には何も起こってないですよ。…あの男はどうも死にかけのようですけど。まったく、マスターを悲しませるなんて…人間が」

ルシアン「…あの男って。もしかして、俺の親父のことか?」

ジル「はい。危篤ですよ。あなたの父親は」

 

 

少し鍛えつつ。全員分の浄化の杖を集めたかいもあって、クリアできましたね。乱戦を避け。ある程度パターンを理解したのもありますが。…実はルシアンとデイビッドは魔道具スキルを習得してなかったから、持たせる意味がなかったのだが。ま、結果良ければ全て良し!(また必要になった時に備えて、後で習得させました)

 

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