聖騎士吸血鬼の伝説20 ノースポイント-幻影都市-

elonaプレイ日記月明かりの祝福『アドニス』



ベアトリクス「これはこれは…話に聞いていたけど、とんでもない光景だね」
街の中でどこか見かけるような住民たちが一斉に殺意を向け、武器を手に取る姿に魔術師はアクアマリンの瞳を愉快そうに細める。

ルシアン「いきなり襲ってくるやべー連中…というには、なんだか人間っぽくないんだよな?」

ベアトリクス「ふーむ?まあ、とりあいず。アドニスくんが考えた作戦どおりに動こうか」

アドニス「あ、はい…。作戦といっても、あの場所で戦おうってだけなんだが」
少年が指差す方向にあるのは、大量の骸が積まれた不気味な建物だった。街の中心で戦っていては住民たちの攻撃の的となる。そう考えたアドニスは、そこを籠城場所に選んだのだ。



ルシアン「はははっ!良い眺めじゃねーか!ノコノコやってくる連中のマヌケ面がよく見えるぜ」

デイビッド「くくく…アッシの銃が火を吹きますぜー!」

ベアトリクス「ふふっ。確かにそうだね」
そう穏やかに笑った魔術師は呪文を唱え。放たれたライトニングボルトが直撃した人間たちはビリビリと痙攣し、倒れた。

アドニス(正体がよくわからないとはいえ、罪悪感を覚える光景だな…)

ベアトリクス「…この獣のような殺意。まるでモンスターの相手をしていると感じないかい?」

アドニス「確かに…そういう感覚で相手している気がするが?」

ベアトリクス「目に映るものが全てではない。まあ、私が得意とするジャンルと異なるから、確信が得られないけど…。この街と人々はそう見せられている幻だと、私は予想しているんだ」

ルシアン「幻!?どう見ても存在しているように見えるぞ?殴った感触もあるぜ」

ベアトリクス「実在してるよ。別のものに見えているってことさ」

アドニス「漂う死臭。獣の臭い…。そう言われれば、納得できるところがあるな。ありがとう、ベア姉」

ベアトリクス「あはは。間違っていたら、ごめんねー」

 

次から次へと襲いかかってくる住民たちを倒し。外がだいぶ静かになってきたのを見計らって、一行は表に出た。惨たらしく血に染まった街中を探索していると…宿屋の一室にある階段を発見した。覗いても、先は暗闇に覆われ。奥に何があるのか見えなかった。ただの地下室かもしれないが、怪しいと思った場所を調べるのが冒険者というもの。アドニスたちは警戒しつつ、階段を降りた。


アドニス「…!」
少年は驚きに金の瞳を丸く見開いた。ベアトリクスに教えられていたとはいえ、先ほどまで見ていた街と似た構造だというのに、まったく別物に変わってしまった光景に。

デイビッド「正体現したって奴でやすね。…これも幻である可能性が高いっすけど」
そう呟いたデイビッドが銃を向けた方向には、さっきまで中立にいたパルミア特殊部隊がこちらに殺意を向けていた。

ルシアン「これで殴りやすくなったな!どんどん殴るぜ殴るぜー」

アドニス「やる気満々だな。だが、さっきと同じ作戦で行くぞ!」
アドニスたちは再び籠城戦をする建物へ入る。疑問が晴れたのもあってか、先刻より士気高く戦うが…



ルシアン「うわーゴールドベルー!と喜ぶには数が多いなぁ…。なんか数ターン経っても消えないし」

アドニス「毒はちゃんと効くようだが、あまり手持ちが…」

ルシアン「染料を投げればいいんじゃね?」

アドニス「この前、外れた染料がデイビッドに当たって、すごい緑色になってしまったからな。どうも投げずらくて…」

デイビッド「アッシがグリーンなゾンビィに?そんなことありましたっけ?」

アドニス「あれ…?いや、夢だった気がする。気にしないでくれ」

デイビッド「?」

 

個別差し替えしていても、染料で色を付けられるんだな…。緑色になったデイビッドにひとしきり笑ってしまった後、なんか嫌なのでリロードで無かったことにしました。色番号0で元に戻せると思うけど(絵面が面白かったからスクショしておけば良かったな)


壁生成の杖を振るい、アドニスはゴールドベルがいる部屋の一角を壁で埋めた。なかなか当たらない毒薬。浴びせても、なぜかダメージが入らず元気なゴールドベルに、少年は閉じ込めるという手段を取ったのだ。

アドニス「壁の中でじっとしていてくれ…」

ルシアン「ふぅ~、逃げないってだけで、ずっと周りをチリンチリンしてくるめんどくせえ相手になるものだな。…殴り倒せないなんて、もっと拳を鍛えないとなぁ」

アドニス「あんなに硬いベルを殴り倒す気なのか…?」

ルシアン「鍛えれば出来る出来る。筋力はすべてを解決する!坊ちゃんも殴り倒せるようになれるさ」

アドニス「脳筋阿呆にはなりたくないな」

ルシアン「えぇ~」

 

面倒になってきても、1度ターゲットすると仲間たちはずっと攻撃し続けるので、閉じ込めるという手を使うことにした。退却という表示が出ているのに消えないとは…カスタムワールドではそういう設定ができるのかな?



アドニス「俺の愛犬が…!?」

ルシアン「いやいや、違うって!混乱してるのか…いや、ホントに混乱してるじゃねーか!?」

ベアトリクス「アドニスくん。だいぶHPが減っているよ。回復ポーションを飲んだらどうかな」

アドニス「ああ、そうだな…?」*ごくごく*「ハッ!?違う…俺の可愛い幻惑ハウンドじゃない…!?なんて恐ろしい幻術だ!」

ルシアン「良かった~。アドニスの目が覚めて…」(俺には同じに見えるけど、どこが違うんだろ…?)

 

配置されている幻惑ハウンドとカオスハウンドがなかなか怖い。仲間たちのターゲットがベルに吸われている状態で、ハウンドに襲われると危ないですね。

 



ベアトリクス「ランダムネフィアに似ているけど、なんだか雰囲気が違うね?これも幻が影響しているのかな」

デイビッド「扉が鉄格子になっていやすね。…おお、こりゃ随分と開錠するのが難解ですぜ」
カチャカチャと試しに入れたロックピックは見事にひしゃげ。もう使い物にならないだろう。

アドニス「任せてくれ。扉を開けないなら、道を開けばいい」
そう言い放ったアドニスはつるはしを振り上げ、壁を破壊した。

デイビッド「ククク、流石ボス。日頃から街を破壊しているだけあって、手慣れていやすね」

ルシアン「大人しそうな顔をして、裏では…恐ろしい話だな」

アドニス「お前が教唆したんだろ…」

 

採掘スキルが育ってないと大変なポイントなんだろうが、耐久上げによく街の壁を壊しているので…

 

~虚構の街最深部~


ベアトリクス「この足場と橋…私たちが最初に来た街に似ているような気がするけど。随分と周りが真っ暗だね」

アドニス「闇はよく見えるはずなのに…これも幻なのか?」

デイビッド「もしかしてアッシたちは移動してるつもりで、同じ場所をぐるぐる回っていたんじゃ…?」

ルシアン「かもしれねえなぁ。犯人はそんな俺たちを見て、笑っていやがるとか気分が悪いなあ…ということで、目の前の牛を殴るぜ!」
様子見していたミノタウロス「!?」



ルシアン「アドニス!後ろ後ろ!」
アドニスは死の宣告を受けた!

アドニス「…っ!?」
後ろを見ると大鎌を持った死神の使いが無表情にこちらを見ていた。闇の中から現れたのか…とにかく、アドニスは炎の衝撃の杖を手に取り。死神の使いに向かって振るう。赤々とした炎に飲み込まれる黒いローブ。そこを眩しい雷が貫く。ベアトリクスのライトニングボルトだ。

アドニス(俺もあんな風に戦いたいな…)
アドニスは憧れの眼差しでベアトリクスを見つめ。試しにファイアボルトを唱える。だが、ほとんど詠唱失敗してしまった。

アドニス「…」(素直に魔道具を使おう…)
熱くなった頬を忘れようと、少年は力強く炎の衝撃の杖を振るい。死神の使いの全身は真っ赤な火に包まれ、灰となった。

ベアトリクス「やったね!なかなか油断できない所だね」

アドニス「ああ…もっと気をつけないとな」

ベアトリクス「…魔法は自由に扱えるまで時間がかかるスキルさ。アドニスくんはいずれメテオで街を吹っ飛ばせるようになれると、私は信じているよ」

アドニス「ありが……吹っ飛ばす!?」



アドニス「あれは地雷犬…犬?」

ルシアン「犬は置いて。アレは地雷を投下してくるやべー奴だな。浮遊装備していても、グラビティで浮遊が無効化されてしまうんだ」

アドニス「生命力10の俺が下手に近づいたら、確実に爆死するな…。デイビッド、ベア姉、これ以上近づかずに攻撃するぞ!」

デイビッド「へーい!」

ベアトリクス「はーい!」

ルシアン「坊ちゃん。俺は?」

アドニス「ルシアンなら、ちょっとぐらい爆発しても平気だろ」

ルシアン「はははっ、ルシアン平気だもん!って、ひでーな坊ちゃん」

アドニス「事実だろ」

 



ルシアン「うん?また幻の人間か?」

ベアトリクス「この感じ…本物の人間どころか、事の元凶じゃないかな?ずっと私たちに纏わりついていた嫌な幻とよく似ているよ」

ルシアン「ははは!やっと顔を見せてくれたわけか!ちょうどいい通路だ。俺が前に出るから、皆は後ろから…」



アドニス「ぐっ…っ!?」

ルシアン「アドニスっ!?」 ルシアンは思わず、振り返ろうとしたが、

アドニス「だ、大丈夫だ…夢で見たとおりの地獄の吐息……地獄耐性を上げているから、ギリギリ問題ない!そのまま殴ってやれ!!」

ルシアン(夢…?)「よーし!思いっきりやってやるぜー!これはアドニスの分ーーーーっ!!」

アドニス「俺はミンチになってないぞ…」

 


ルシアンは切り裂き魔道『ディッカーニ』を殴って殺した。

アドニス「最後まで、笑っていたな…。こんな大掛かりな魔法を使って、何がしたかったんだ?」

ベアトリクス「さて、ね…?どこまでが幻か、現実なのか、境目がわからなくなっていたのかもしれない」



ルシアン「あるいはただ性格が悪かった、とか。こんな奴を2体も侍らせていたなんて悪趣味だなー」

アドニス(俺が世話になった人だというのに…ルシアンはなぜ、そんなに嫌っているんだ?)
襲ってくる緑のエレアたちも撃破し…すると、緑色の何かが床に転がり落ちた。

アドニス「これは…?」
何気なく拾おうとするアドニス。だが、横から素早く現れた手によって、先に拾われてしまった。顔を上げると、後ろ手に何かを隠したルシアンが立っていた。

アドニス「…」

ルシアン「どうしたのー?そんなに俺の顔を見つめて、照れちゃうな~」

アドニス「いや、拾っただろ。俺が拾おうとした物を」

ルシアン「う、うーん。アドニスに見せるのは…」(あの3匹のプチの飼い主について知ったら、ショックだろうし)

アドニス「…そんな風に隠すなんて。どうしても俺には見せられないものなのか?」

ルシアン「……そう!えげつないほど秘密な、えっちなものなんだ。…アドニスが大人になったら見せてやるよ」

アドニス「何を言っているんだ!?……緑髪のひと、そんな物を持ち歩いて…」

デイビッド「アニキ。後で、アッシには見せてくださいね」

ルシアン「はは…いいぜ~」(…なんとか切り抜けた。すっかり誤解を受けているけど、緑髪のエレアだし別にいいか)

ベアトリクス「…」

 


ボス戦 5:31
ロミアスが混ざった状態での戦闘を想定されていたと思うが…ボスがPCに反応して突進してくるのはよくあることだからな(?)
すごくこだわったダンジョンでしたね。街の住民に囲まれてボコボコにされ、いつのまにか死の宣告、地雷犬でうっかり爆死、最後に地獄の吐息で一撃死など、けっこうミンチにされましたね…。色々と試行錯誤して挑んで、面白かったです。

 

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