クレイモア吸血鬼の旅行記92 雨降って地固まる



アネモネ「ふはははははっ!本日は天罰日和なり!祭壇を支配し、現れた神の下僕を殲滅して装備をもらってやる」

エリザ「嫌な日和ですわね。けっこう強いって話を聞きますけど、マリーがいない状態で大丈夫ですの?」

アネモネ「あやつは…装備がそんな整っておらぬから、ミンチになりやすい。今回はお留守番だ」

エリザ「…? マリーは…」

アネモネ「のんびり話している余裕は無いぞ。戦うぞ!」
状態異常を撒いていく妖精さん、狂気の眼差しを向ける黒猫、HPが減れば治癒の雨で癒していく防衛者、スウォームで薙ぎ払う黄金の騎士、連続魔法で確実にダメージを与えていく追放者、罵倒で朦朧させブーストする黒天使、銃を乱射するアンドロイド…戦いは長期になり。終わる気配がなかった。

アネモネ「………。うむ。無理だな。帰るぞ。…いや、そろそろ収穫時だな、レシマス畑に行くぞ」

エリザ「らしくないですわね…」

 

そういえば挑んでなかったと行ってみたが、AI変更によって神の化身たちの能力が活かされていて…マジ強かったわ。LV100ぐらいならと思ったけど、数は圧倒するな。



アネモネ「ぬわああああああああああああっ!?」

ジル「マスターーーーーーッ!!?」

ドラクル「お嬢様自身を食べるとは、器用なことをなさいますな」

ジル「マスター。お腹空いていたのでしょうか…?それなら、僕を食べても」

ドラクル「ジルさんは殊勝ですね。私もお嬢様に食べられたいですね」

エリザ「…おかしな会話していないで、自宅に帰りませんこと?私が手当しますわ」

 

種蒔きスウォームを選択したつもりが、食べるを選んでそのまま押したせいでPCがPCを食べるという珍事が起きた。初めて知ったわ、びっくりした。めんどくさがらずにフリー枠にしているショートカットに設定して使うか。

 



エリザ「あなた、どうしましたの?自分を食べるなんて…いつも以上にアホですわよ」

アネモネ「…まあ、うっかりしてな。ははは」

エリザ「マリーと何かありました?この前、あなたが二日酔いで寝込んで…それから彼女に店番を任せたっきり、会ってませんよね」

アネモネ「在庫が増えに増えていたからな。しばらく売ることに専念してもらっているだけだ」

エリザ「あら。そんなにいっぱいなら、狂信者ネフィアでの戦利品の置き場所に困ったでしょうね。失敗しましたけど。…あなたって、意地悪するのが好きですわよね。自分に素直になったらどうですの?以前、私に「気に食わないなら離れろ」と、言った時と同じ顔をしていますわよ」

アネモネ「我の顔など知らぬ!……少し出かける」 それ以上、会話したくないという様子で吸血鬼はベッドから起き上がり。荷物からリコールルーンを取り出した。

エリザ「そう…。待ってあげますわ。マリーもあなたを待っていると思いますわ」

アネモネ「…」 静かに凛とした言葉を伝える少女に背を向けて、吸血鬼は姿を消していった。

 



アネモネ(遠くに…と、思っていたら。エウダーナに来てしまったようだ。散策し、異国の食事を楽しむ気分ではないな。…胸の辺りがざわつく。マリーがあんなに怒りを露わにするとは…)
初めに会った時の、吸血鬼は滅ぼすという冷徹な殺意とは違う。アネモネに向けた憤り。穏やかな青い目は炎のように激しく燃えていた。

アネモネ(バンパイアハンターは吸血鬼を滅ぼすものだろう。我を友と呼ぶなど、くだらん感傷だ…)
だというのに。心臓が締めつけられる。それを認めてしまったら、背を向けたというのに振り返ってしまいそうだ。

アネモネ「…」
「またイェルス軍だ!」
「Arkから光が逆流する!」
「新王国め…!」
喧騒の後、まるで夜が訪れたように辺りが暗くなった。見上げると、イェルスの空飛ぶ機械の船がエウダーナ上空に浮かんでいた。どうやら、また戦場になるようだ。

アネモネ「…ちょうど良い。我が相手してやる」



アネモネ「ふはははははは…ふはーははははははははっ!」
群がってくる機械兵を混沌の渦で破壊しては笑い。時折、空から降ってくるレーザー攻撃を受け、その身から血を噴き出しながらも、吸血鬼は笑い続ける。酒に溺れて忘れるように。

アネモネ「まだだ、まだ足らんぞ!もっと激しく狂おしく!我を喜ばせよ!」


挑発する吸血鬼の声に答えるように、巨大な機体が現れた…『イェルス重装機械兵』 ビッグダディに酷似していた装備を纏ったイェルス兵だ。

アネモネ「ははは…ふはははははははっ!貴様と交えることを楽しみにしていたぞ!なんて素敵な再会だ、赤い花が咲き乱れてロマンチックだろう!ははははははははっ!」
イェルス重装機械兵「…」
血まみれで狂騒する幼い少女を映す無機質なレンズの向こうで、古代文明の技術を得た人間はどんな顔を浮かべているのだろうか。愉悦か、恐怖か。まあ、そんなことはどうでもいい。

アネモネ「そなたのためにいくつかプレゼントを用意したのだ。どうか受け取ってくれぬか」
吸血鬼は盲目のポーション+32を投げた。『イェルス重装機械兵』に見事に命中した!『イェルス重装機械兵』の墨を浴びた!

アネモネ「ふふっ。盗賊ギルドの錬金術師に予約して、買い集めたポーションを合成し。強化したものだ。どうだ、真っ暗に」
高らかに笑おうとしたが、銃弾が吸血鬼に命中した。瀕死というほどではないが、また当たればミンチになってしまうかもしれない。すぐに白き癒し手エリス+1を飲み、回復する。

アネモネ「ぬう…効いていない…?せっかく愛らしくも麗しい我が、心込めて作ったというのに。バンバン撃ってくるとはひどい奴だ。…媚薬+64でも投げてやろうか」
この場にエリザか、マリーが居たら、愛らしい幼女はそんな酷いことはしないと言っただろう。

アネモネ「うむ、やはり贈り物はこちらが良いか…!」


1発目は外れたが、2発目は効いたようだ。動きが止まっている間に、連射弾に切り替え。念のために回復ポーションを飲む。体勢を整えている間に止まった時間が動き出してしまったが、一瞬でも時を止めてやったことが楽しい。それだけで気分が高ぶる。見た目どおりにはしゃいで、吸血鬼は更に笑い声を響かせる。

アネモネ「ははははははっ!ふはーははははははははははははっ!!」
銃にエンチャントされたルルウィの加護が発動し。普段より速く動ける間に、銃弾を浴びせて浴びせまくる。外れることが多いが、当たればダメージを与えられる。こちらは弾が当たれば、瀕死か、ミンチだが。以前に戦った時よりは、契約が発動する回数は減っている気がする。

アネモネ(どう決着するか、死神の気まぐれ…?くだらぬな。我の運命は我の物だ!)


天からレーザーが降り注いだ!

アネモネ「ぐっ…!?………?」(今ので死んだと…契約も発動していない…?)「は、はははははははっ!今日は素晴らしい天気じゃないか!!ははははははははははははは!ふはーはははははははははははっ!!は…、げほげほっ。久しぶりに笑いすぎた」
イェルス重装機械兵「…」

アネモネ「無口な奴だなぁ。そこは阿呆じゃないですの、と。いや…エリザだから良い言葉だ。やはり話さなくていい」
イェルス重装機械兵(一体なんなんだ…)
翻る真紅のマントには見覚えがある…前回の戦いで見た。戦況報告で、1人の子供が兵を倒し続けている話に何の冗談かと思ったが…本当に屍の山を足蹴し、残虐に笑いながら戦場を踊る幼女がいた。あまりの恐ろしさに、容赦なく銃弾を浴びせて血の海に沈めたのに…再び悪夢は現れた。腕や足などの身体の一部を吹き飛ばされながら、ポーションを飲んで回復し。こちらに向かって、笑顔で発砲を続ける。ポーション飲みすぎでゲロゲロ吐いたことすらも愉快そうに笑みを浮かべている。今、目の前にいるものは…


会心の一撃!『イェルス重装機械兵』を射撃し 粉々の肉片に変えた。「化け物か!?」

アネモネ「吸血鬼だが?……聞いておいて、もう口を開かぬとは失礼だな。…ああ、死んでいるのか」
ひしゃげた機械の塊から、血が流れている。吸血鬼は再び空を見た。変わらず曇り、大雨が降っている。髪も服もびしょ濡れだ。終えた安堵と勝利に、アネモネは笑みを浮かべた。

アネモネ(ふふ、最高の気分だ。そうだ、我は1人で充分だ。力こそがすべてだ。愛など、友など、そんなもの…)
ふと、雨音がやけに気になった。他に音を発するものがいないからだ。さっきまで生きた叫びを上げていた人間は鉄の残骸の中で息絶えている。まるで棺桶の中で眠るように。ここは墓場だ…。そう思うと、興奮は冷めきっていた。

アネモネ(寂しい…場所だ。帰るか。エリザの容赦ない毒舌が聞きたい。ドラクルの慇懃無礼も。ジルの無邪気な騒がしさも…マリーとまた一緒に。だが、その前に…)「腹が減ったな」

 


イェルス重装機械兵戦 5:35
とても楽しかった。+32ポーションをいくつか準備したが…盲目効いてないような…?と思えたので。ダメージを与えることに徹した(用意した努力は一体…)一応、回復手段をポーションにしたことによって、魔道具と魔法での失敗リスクの部分は無くなり。MPに少し余裕が持てるようになったのかな。
ルルウィの加護と時止め連射弾が合わさると、なかなかいい感じにダメージが出せるな。司っている神同士は険悪だけど。

 



アネモネ(さて、風呂にも入ろう。服がべっちょりして気持ち悪い…。ぬぅ、肌に張りついているせいか脱ぎずらいな…ドラクルに手伝ってもら)
その時、鍵をかけていたはずの扉が開き。何かが転がりながら、脱衣室に入ってきた…!驚きに硬直している間に、それは派手な音を立てて、壁に衝突し。一瞬、動きが止まっていたが、すぐに丸まっていた体勢から立ち上がり。真っ直ぐと青い目がこちらを見た。

アネモネ「マリー…?何をして」

マリー「今日は、今日こそはお前の逃がさないからなっ!」 マリーは怒っていた。ここしばらく避けられた苛立ち。そして、一方的に別れを告げて、去っていった友の記憶がいまだ鮮やかに残っている。焦燥に冷静さなど殴り捨て、帰ってきたアネモネが入った扉に突撃したのであった。

アネモネ「確かに逃げられぬな。半脱ぎのシャツが腕に絡んでいる幼女はなんて無防備なのだろう」

マリー「そ、そんなつもりは…ええと、タオルタオル!」 慌てたマリーは棚に置かれているバスタオルを掴み。アネモネの頭に被せ、わっしわっしと豪快に拭きはじめた。

アネモネ「ぬぐわあああっ!?我がぐしゃぐしゃになるわ!…いいだろう。そなたと話し合う予定だったのだ。ここでは落ち着かん、場所を変えよう」 呆れながら、再びシャツの袖に腕を通し。床に落としていた真紅のマントを肩に引っ掛けて、アネモネはマリーの手を握り。移動魔法を唱えた。

 



マリー「大聖堂…?」

アネモネ「我が作った。家具がまだまだ揃っておらぬが、美しく建築できているだろう」

マリー「これを建てたのか…!?…いや、ハウスボードか。ということは、ここはお前が所有する土地なのか」

アネモネ「ダンジョンの権利書で得たものだ。願いでしか入手できない貴重品だけあって、パルミア以上に広くてな。何を作ろうと考えていたら、これが思い浮かんだのだ…そなたは知ってるか?」

マリー「いや、私が知っているものとはだいぶ違う…。どの神を信仰しているんだ。お前のことだから、ルルウィやエヘカトル…ジュアを祀っていそうだが」

アネモネ「何も。ここはただ在るだけの場所だ。我は神など信じていないからな。以前に憎んでいるのか?と、聞かれたが…忘れているのだよ。なぜそうなったかの理由を」

マリー「…」

アネモネ「マリー、そなたのことも…わからない。我の安息を願う?友だと?それは我に、アネモネに向けた言葉なのか?」

マリー「私は……どこか昔のように在りたいと、懐かしんでいたのだろう。すまなかった。…だが、アネモネ。お前に言ったことは嘘じゃない。腹減って死にかけた時に助けられたことも、様々な場所を共に旅したことも、強敵と戦ったことも、友と過ごした素晴らしい思い出だ。私は、これからもそんな日々を続けたいと願っている」

アネモネ「……そなたは正直だな。嘘が下手で、すぐ顔に出る。冷たくしたことは謝る…だが、愚かだ。かつて友だった吸血鬼を退治するだけで済んだというのに。…我はそなたに頼んだことを撤回する気など無いぞ」

マリー「…私は諦める気はない。私はこれからもアネモネの友だ。記憶が戻って、私を殺そうとしても親友だ!私から逃げて姿を消そうが、また見つけてやる!」

アネモネ「言っていること無茶苦茶だぞ…。何か考えでもあるのか?」

マリー「無い。だが、どうにかこうにか…私は出来ることを全力でやる」

アネモネ「は、ははは…。なんて阿呆だ。だが、そなたの青い目のように真っ直ぐで、それが良い。…その言葉は友として信じよう。マリーよ」

 



おまけ。エリザだけ連れて行った版。治癒の雨に、首狩りエンチャ付き忍刀&エーテルダガーの二刀流の彼女がいれば、回復も殲滅も全部やってくれる。強い。

これでAA追加クエストはすべてクリアしたが…エウダーナの掲示板で強化版?を受けられるらしいので、今度はフルメンバーで挑みたいところ。mmah更新で子犬の洞窟が不思議なダンジョン化したし、挑んで面白いログが撮れたら記事にしたい。ノヴィスワールドも更新したし(息災で良かった)そっちもプレイしてRPしたいね。
ひとつの目標を終えて寂しい気分になったが…まだまだアネモネの旅行記は終わらなそうだ。ということで、明けましておめでとう。今年もよろしくお願いします。