アドニス「ベイベー…?」
ルシアン「つまり…ベイベーだな!」
ベイベー団の頭領のエロガー「ベイベー!」
アドニス「そうか…ベイベー!」
ルシアン(正直、よくわからないが…)「ベイベー!!」
ベイベー団の頭領のエロガー「ベイベ♪ベイベ♪ベベイベ~♪ベイベ~~~~♪」
アドニス「ベイベーーーー!」
ルシアン「ベイベーーーー!」
アドニス「色んな音が合わさって…すごいな。演奏スキル覚えてみるか」
ルシアン「坊ちゃんによく似合うだろうな~。ピアノとかバイオリンとか。俺はその隣で…歌で殴る!」
アドニス「何と戦っているんだ…?」
ベイベー団のオイーラフは艶やかな弦楽器の演奏をはじめた。
ルシアン(んんっ!?)
アドニス「素敵な演奏ありがとうございました」
少年は笑顔で別れの挨拶をし、その場から離れていく。
ルシアン「アドニス、待っ……」
だが、時遅し。アドニスは平地から出ていた。
ルシアン「…」(でもまあ、アドニスは『殺してでもうばいとる』なんてことしないだろうな。気づかないままでいいか)
中立NPCをミンチにしても、カルマは下がらないが…アドニスのRP的に”そんなことしない”ので。助かったな。
アドニス「これがノイエルの祭。人がいっぱいだ…。あれは…なんだろう」
少年は興味津々に奇妙な被り物をした、緑色のマントを羽織った人(?)を見つめた。
ルシアン「それは聖獣だな。確か…子供の頃に踊り食いされると健康な身体になれるんだっけ?」
アドニス「トラウマになりそうだ」
口の部分をカチカチ鳴らし、上下に跳ねながら、蛇のような動きをする聖獣にアドニスは怯えた表情を浮かべ。そこから離れるように歩いていく。
ルシアン「屋台で何か買おうぜ~…あれ?坊ちゃんが消えた…!?」
正解は頭を噛まられる。どっちにしろ怖い。
アドニス「…困っている?」
少年の後ろ姿を見つけて安心する間もなくルシアンは驚いた。アドニスの目の前には赤い巨人が座っており、どうも会話をしているようだ。
アドニス「雪がとろけるほど熱く、思いっきり身体を動かしたいんだな。…この鎖を?」
ルシアン「やば、やばーーーーーーっ!」
叫びながら、ルシアンは雪の上をスライティングし。鎖を解こうとしている少年に体当たりした。
アドニス「ぬぅおわあっ!?…痛い。いきなり何するんだ」
ルシアン「それはこっちのセリフだっ!?ノイエル火祭り開催する気か!こいつはかつて大迷宮ベロンを支配していた炎の巨人『エボン』だ。枷によって弱体化しているが。外したら延々と火を吐き続ける奴だぞ」
アドニス「そういう生き物だというのに、ここに連れ出したのは人間だろう」
ルシアン「…。今は大人しくても、解放したら見境なく暴れるだろう。なら、俺は戦う。アドニスや街の人々を守ることを優先する」
アドニス「……わかった。きっと俺もそうすると思う」
ルシアン(旅する以上、こういうこともあると予想していたけど…せっかくの祭なのに、う~ん。どーにかこーにか)「滑ったら尻が冷え冷えになってしまったぜ。坊ちゃんも雪まみれになっているし。宿で少し休まな……あ、あれ?またアドニスがいない!?」
アドニス(後先なんて、考えてなかったな…)「…? 騒がしいな。何かの催しか?」
暗くなってきた街中。少年は金の目を細め、騒音の正体を見つめた。軽快に闊歩する聖獣、呑気に演奏している吟遊詩人、銃を乱射するパンク、そして…はためくボロ布を纏った骸骨。月明かりに淡く光る雪原は赤く染まっていた…。
アドニス「っ…!?」
ルシアン「でぇえやあああぁぁっ!!」
怯むアドニスの背後から、雄々しい叫びと共にルシアンが飛び出してきた。魔力が込められようとした杖を蹴り飛ばし。突き出した拳で、その頭蓋を粉砕した。
ルシアン「びっくりした~ また街にモンスターが湧いてるとか。そっちの祭りはお呼びじゃねーよ」
アドニス「ルシアン」
ルシアン「ははは。魔法を発動される前に殴ってしまえば、脆い骨だなぁ」
アドニス「まだ暴れている奴が…」
ルシアンはブレイドΩに殴られた。ルシアンは千切りになった。
アドニス「……許さん…」
赤く染まった瞳を鋭く細め、友人を傷つけられた怒りを露わにしようとしたが、
アドニス(だが…私に何が出来る?ルシアンが敵わない相手に)「………ガード!ガード!」
少年は悔しさを胸に、助けを呼んだ。
ジュア狂信者「ああ。愛。愛!災厄から人間を守り。砕け散った愛の女神オディナは我々を大事にしてくださった。彼女が我々1人ひとりの中に、ノースティリスの未来を見ていたから!イルヴァの未来を!そして見よ、友よ!この歪な機械を!私たちの肉体は神の贈り物である!姉妹神ジュアは人間の真なる神である!慈愛によって魂を救い、我らの身体に癒しを与えてくれる!イェルスは…」
ルシアン「う、ううん……うるせー!って、俺。ブレイド野郎に…」
アドニス「起きて早々、元気のようだな」
ルシアン「ああ、ミンチになったが俺は元気だ。酒場で復活…いや待て。なんで俺、こんなところで目覚めたの?…それに、祭りが継続しているけど、モンスターはどうしたんだ?」
アドニス「…ガードがなんとかしてくれた。後の片付けを任せて、お前を引きずっていたら、狂信者のお姉さんが助けてくれたんだ。それで、お礼をしようとしたら。演説を聞いてくれるように頼まれた」
ルシアン「そーなんだ」(…なんか素直に感謝できねぇな)
???「そこの君、清楚で綺麗なお姉さんが君を待ってるよ」
アドニス「ジュア様の抱き枕…」
ルシアン「おや~坊ちゃん、そういうのに興味あるお年頃~?ふふ、特別なテクニックを教えてやるよ。いくつもの癒しの女神を抱ける方法を!まずは近くにある祭壇を現在信仰している神の支配下に置き…」
ルシアン「ジュア信仰した後に祭壇から改宗して、またジュア信仰すれば…抱き枕がもう1個!両手にふっかふかな癒しをGETだぜ~」
アドニス「なるほど…」
少年は祭壇と着ぐるみバイトを交互に見つめ…行動を開始した!
何かが足元に転がった。あなたは今や癒しのジュアの信者だ!「べ、別にアンタの活躍なんて期待してないんだからねっ」癒しのジュアは激怒した。「な、何よ。アンタなんか、いなくたって寂しくないんだからね!」あなたは雷に打たれた!あなたは今や地のオパートスの信者だ!「フハッハハハハ。逃がさんぞ!」何かが足元に転がった。あなたは今や癒しのジュアの信者だ!「べ、別にアンタの活躍なんて期待してないんだからねっ」癒しのジュアは激怒した。「な、何よ。アンタなんか、いなくたって寂しくないんだからね!」あなたは雷に打たれた!あなたは今や地のオパートスの信者だ!「フハッハハハハ。逃がさんぞ!」何かが足元に転がった。あなたは今や癒しのジュアの信者だ!「べ、別にアンタの活躍なんて期待してないんだからねっ」癒しのジュアは激怒した。「な、何よ。アンタなんか、いなくたって寂しくないんだからね!」あなたは雷に打たれた!あなたは今や地のオパートスの信者だ!「フハッハハハハ。逃がさんぞ!」
ルシアン「え…?坊ちゃん…アドニス…???」
困惑するルシアンに気づく様子もなく、アドニスは一心不乱に改宗し続けた。
ルシアン「…」(自宅に帰還したアドニスは黙々と大量の抱き枕を並べ、俺をその上に転がした…。なんだこの状況…?すごくふかふかに包まれている)
アドニス「素晴らしい寝心地だろう。いつもルシアンに世話になっている日頃の感謝だ。ゆっくり休んでくれ」
ルシアン「確かに気持ちいいな…すげー驚かされたけど、ありがとう」
アドニス「…ルシアンには本当に助けられてばかりだ。今日は随分と迷惑をかけた」
ルシアン「…俺は、けっこう滅茶苦茶なことをするアドニスと一緒に居ることを好んで楽しんでいるのさ。だから、まあ…その、いつもどおりの坊ちゃんでいてくれ」
アドニス「…。俺、そんなおかしなことをしているのか?」
ルシアン「ぶっはっはははー!そういうところだよ!」
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