クレイモア吸血鬼の旅行記85 ノヴィスワールド-おとおと!-



マリー「これがラーナの湯…確かに心が安らぐな…」

アネモネ「そうであろう。狂気には温泉、ユニコーンの角、やどかりの肉が薬となるのだ」

マリー「やどかりを食べる…?…いや、かぶと虫のステーキがあるんだ。気にしないでおこう…」

アネモネ「そうだ。今日は前回の戦いでの疲れを癒しに来たのだ。ゆるりとするがよい。酒もあるぞ」 吸血鬼は湯の上に浮かぶ盆をバンパイアハンターの方へ流す。見ると、陶器の瓶と手のひらに収まるほど小さい円形の器が置かれていた。

マリー「…? また変わったやつだな」

アネモネ「異国ではこういったもので飲むらしい。中身は…オーガスレイヤーという銘酒だったか?」

マリー「度数が強そうだな。どんなものかワクワクするな」

ジル「マスター、僕も飲みたいですですー」

エリザ「ダメですわよ。…電撃風呂になってしまいますわ」

ドラクル「ジルさん、美味しい乳はいかがでしょう?背が伸びますよ」

ジル「飲むですですー!」

マリー(やはり着衣で風呂に入るのは変な感じだな。と、話したら…そなたは裸になりたいのか!と言うだろうから黙っておこう)



アネモネ「たまには皆とのんびりとするのも良いであるな~」

ドラクル「そうでございますね。…ところで、お嬢様。マリーさんに素敵な贈りものをされたのですね」

アネモネ「ああ、褒美にくれてやった。ドラクルも欲しいのか?」

ドラクル「恥ずかしながら…」

アネモネ「良いぞ。そなたが己の物として欲しがるのは珍しい。なんでも申せ」

ドラクル「それでは…お嬢様の服を頂いてもよろしいでしょうか」

アネモネ「わ、我の?…まあ、いいぞ。自宅に帰ったら、渡そう」

ドラクル「ありがとうございます。…よろしければ、旦那様のお姿の時に着てらっしゃる物で願いします」

アネモネ「………」 吸血鬼はしばし凍りついたように動きが止まった。「…うむ、わかった。…後でな。向こうで、なにやら騒がしいなー 見に行くぞー」

 


鉱夫「ジューアの兵隊さんたちが、奥の洞窟に入って行ってしまった…。中には危険な魔物が棲みついていて危険だと教えたのに…隊長らしい男がフハハハハハーンと笑いながら自信満々だったが、心配だ…」

アネモネ「フハハハーン…?なにやら知っているような…」

エリザ「その特徴的な笑い声…前にヨウィンで依頼を受けた人だと思いますわ。ギルバートさんだったかしら?」

アネモネ「覚えておらぬな……いや、少し前に会った気がするぞ。確かやかましいムシがいつのまにか我の懐にいて…」

 

~数日前~

ノルン「そんな君への餞別の意味も込めて、今日は妖精たちに代々伝わるこの地図をプレゼントしよう。きっと、手に汗握るスリルと胸をすくような冒険が君を待っているはずさ。そうそう、探索に行くとき食料の用意は十分にね。それと、ネフィアではどんな不測の事態が起こるか分から」
吸血鬼は無言でうっとうしい妖精を両手で叩き潰そうとした。
ノルン「おっと…今の君には必要ない助言だったかな。それでは、またどこかで」 ニコニコと悪意ない笑顔を浮かべて、妖精は一瞬で消えた。

アネモネ(我のシャツから飛び出してくるとは…油断ならぬ奴だ)苛立しげに荷物を確認すると、★妖精の地図があった。明らかに怪しいが…捨てても手元に戻ってきそうだ。吸血鬼は地図を誰かに押し付けることにした。



アネモネ「それで資金に困っているとかなんとかで、我に絡んできた男にくれてやったのだ」

エリザ「そんなものを適当に渡さないでくださる…」

マリー「その人たちが心配だ…様子を見に行くぞ」

エリザ「ええ、行きましょう」

アネモネ「わ、我を置いていくな…!」


おとおと「オト…オト…オトト……オトオト!オニイチャン、ユルスマジ!

アネモネ「ぬわっ!?またこやつらか!」

マリー「次から次へと出てくる…奥でジューア兵たちが戦っているのか?」

ドラクル「ギルバートさん頑丈そうですからね。彼の部下たちも、そう鍛えられているかもしれません。おとおとを殲滅するほどの火力は無いようですが」

エリザ「このままじゃ、街にまで溢れてきてしまいそうですわ…」

アネモネ「ラーナ名物がおとおと風呂になってしまうな。…さすがに触手の渦に飲まれるのは嫌であるな。昔、共に旅をした悪夢の王のイス召喚を思い出す…うむ、すべて血の海にしてやるぞ!」


ギルバート「フハァン。勇者よ、貴殿も我々の後を追って洞窟にやってきたのか。これは心強い!」

アネモネ「湯治に来ただけなんだがな。まあ、成り行きである」
ギルバート「フハーハッハッハッ!たまたまもなんとなくも大地の神のお導きに違いない!我が部下たちはかなり手傷を負っている。協力してもらえるとありがたい」

アネモネ「そのつもりだ。我らの攻撃に巻き込まれてミンチになるなよ」
ギルバート「それも鍛錬になろう。フハハハハハハハハッ!」



マリー「おとおとが…ボウルに乗って飛んでいる…?」

アネモネ「イェルスの空飛ぶ船に似ているな。それより小型であるが…うーむ、調べたい」

マリー「飛んでいるなら叩き落すだけだ!」

ジル「機械なんてビリビリにぶっ壊してやるのですです!」

アネモネ「すべて鉄くずにされそうだな…」


指導者を失い、おとおと達が亜空間へと撤退していく————

マリー「あの奇妙な光…ムーンゲートか。ランダムではなく、意図的に発生させて移動しているのか」

アネモネ「…そなたも元の世界に帰りたいか」

マリー「妻と子が私の帰りを待っている。出来るなら…」(だが、私は離れがたいと迷っている) バンパイアハンターは物憂げに吸血鬼を見つめた。

アネモネ「ふふっ。期待せよ。我は錬金術と機械いじりが大好きでな。残骸となってしまったが、こやつらの落とし物を調べてやろう」

マリー「ありがとう。…アネモネ」

 


分裂やら召喚ログで、誰がとどめを刺したのやら…マリーか、ドラクルだと思うが。ボスを倒せばクエストクリアでマップ移動するので、野良おとおと戦より楽かもしれない。
ちなみに新パソコンでの録画。びっくりするほどゲーム画面の動きが早く。もっさりせず撮れてすごいな(今まで低スペノートパソコンでプレイしていた)
アネモネの攻撃でギルバートがミンチになったのは気のせいじゃない。

 


ギルバート「フハァ…こ、これは…」

ジル「えっと…マスター。…宝って、どこでしょう??」
そこにあったのは巨大な岩石…。とてつもない質量を持つ事以外は特筆すべきもののない、ただの岩盤の塊だ。表面の所々に残された歯型から、それがおとおと達の食糧であったことを吸血鬼たちは理解する。

アネモネ「そういえば、あのムシは一言も財宝が隠されているとは言ってなかったな。ただ、スリルと冒険が待っていると…。次見つけたら瓶詰めにして、もっと愛らしい妖精に変えてやろう…」
ギルバート「おお…なんということだ…これは————…なんと良質な鉄鉱石だ!これだけあれば10年分は武器の製造にこと欠かぬぞ!!フハー!

アネモネ「そうなのか…ただの軍人(脳筋)だと思っていたが、目利きなのだな」
ギルバート「うむうむ!やはり、貴殿を信じて冒険に乗り出したのは正解だった!我らに勝利をもたらす勇者よ!貴殿には感謝してもしきれぬほどの恩を受けてしまったな!フハーハハハハハァアア!
ギルバートの豪快な笑い声から、広がるジューア兵たちの歓声。本人たちは大満足のようだ。

アネモネ「理解できんなぁ。我は美酒に酔い、透け透け浴衣の美女と…いや、温泉を楽しむぞー」 そう言うと、意気揚々と吸血鬼はラーナへ飛んでいった。

エリザ「あなた、何か言いかけましたわよね…?待ちなさい!」

ジル「マスターが望むなら、着物でびしょ濡れになるのですですー!」

マリー「また頬がもちもち伸びそうだな…」