クレイモア吸血鬼の旅行記69 ノヴィスワールド-バイト・オブ・バンパイア-

elonaプレイ日記踊れ月光『アネモネ』



アネモネ「事は解決した。この遊園地を存分に楽しむぞ!ふはははははははははっ!と、そう思ったのだが…」

ドラクル「ええ、私も気付きました。《賢者の石》の膨大な魔力で隠れていたようですが、吸血鬼の気配がしますね」

アネモネ「どのような者か…我は知りたい。探すぞ、下僕共よ」

ドラクル「かしこまりました、お嬢様」

ジル「マスターと先輩、お姉様以外の吸血鬼に会うなんて初めてですですー。わくわくするのですです♪」

エリザ「はぁ…ねこかわいい…。はっ!ごめんなさい、つい夢中になってしまいましたわ。えっと、誰かを探しますの?」

 

タム「あああ~~っ!冒険者さん!行かないで!!さっきからこの惨状が見えているでしょうっ!!」 *にゃー*うにゃぁ*にゃふー*ふー*がりがり*

アネモネ「ネコと和解せよ。そうしたら、ミーアは解放すると言っていたぞ。まあ…励め」
タム「うわあああああーっねこおおおおおおおー!!」


バイトのヴァンパイアさん「…ようそこ、ヴァンパイアのアイテム引換所へ。この施設では、アイテムクーポン券と景品との交換が可能よ。手持ちのクーポン券を私に渡して【景品を交換する】から目的の品を選んでね」

アネモネ「麗しいお嬢さん、我とお茶でも…」
バイトのヴァンパイアさん「ふぁ… うん?表記されている必要クーポンの枚数は、私に渡した累計枚数で判定されるわ。要するに150枚集まれば全ての景品を手に入れるということね」
眠たげな眼差しであまりやる気を感じさせないこのアルバイターは、どうやら本物の吸血鬼のようだ。伸びる影と気配からは強力な魔力の波動が感じ取れる。

アネモネ「そなたは吸血鬼であろう。少し話を」
バイトのヴァンパイアさん「うー…大いなる闇の雷に飲まれよ…。ふふっ、決まったわ…」 ぼんやりした様子でそう呟き。またウトウトしている…

アネモネ「…仕事は一応しているが、我らの話をまともに聞いておらぬな」

エリザ「バイトが終われば、お話しする余裕ができるのかしら?」

アネモネ「うむ。クーポン券を集めるとしよう」

 


でかいねこ「ここはレシマス探索ツアーの受付だよ。君もネフィアの秘宝を手にした伝説の冒険者の旅を追体験してみるかい?」

アネモネ「それは我のことでは?」
でかいねこ「HAHAHA!お嬢ちゃん、それはすごいねー!」

ジル「あ?」 少年の瞳に殺意が宿った。

ドラクル「ジルさん、落ち着いてください。まずは脂身が多いでしょうから、そこを少しずつ削ぎ落して…」

アネモネ「気持ちは嬉しいが、そのハンバーグは不味そうであるなー」

エリザ「あなたたち、やめてくださる…。どうやら参加賞にクーポン券が貰えるみたいですわ。ですから、ツアー参加しましょう」

アネモネ「なら、参加するしかないか。それに、我の冒険をアトラクションにしたというのも少し興味がある」

 



アネモネ「思っていたより狭いな…。そして、出てくるモンスターが弱い、弱すぎるのである」

エリザ「あなたには物足りないでしょうけど、冒険者じゃない人にとっては充分な難易度じゃないかしら」

ドラクル「おや、あちらにバイトの方…ボスがいるようですね」
くるいつぅあ&こるごんがあらわれた! 魔女っぽい恰好をした女性は可愛らしいポーズをし。人ぐらいの大きさのドラゴンらしい着ぐるみは「がおー」と迫力がない声を出している。

アネモネ「…我の記憶では裸エプロン眼鏡だったのだがな」

エリザ「あの時はうっかり冷気耐性を忘れて、アイスボルトでミンチになりかけていたわよね」

アネモネ「そ、そんな昔のことをよく覚えて…。旅行記に書き残しているのであったな。ははは…」


ぜーむ「よくぞここまで来た…勝負だー」 どうも気が抜ける掛け声と共に、《常闇の眼》らしい絵本を手に構えるネズミ。

アネモネ「はて…このような姿だったか。マントをかぶっておるし。大体合ってる気がするのである」

エリザ「全然違いますわよ。…あなたって、女性以外の顔と名前をろくに覚えてない時がありますわよね」

アネモネ「当然だ。血を飲んでいれば覚えているかもしれんが…我は男の血など、あまり飲む気がしないからな」
ぜーむ「あのー そろそろ戦っていいでしょうかー?」

アネモネ「よいぞー」 吸血鬼は軽い調子で返事し。容赦なく銃弾を放ってきた。
ぜーむ「わあああああああああっ!?本物の銃ぅ!?」

 



エリザ「必要なクーポン券はもう集まったと思うのですけど…何度ここを通っていますの。ああ言われていますわよ」

アネモネ「我の冒険者としての勘がな。ここに何かあると告げているのだ。そういうことでな…ふふふっ、はーはっはっはっ!何か起こるまで我はやめないぞ!ぜーむよ」
ぜーむ「うわーん!ひとでなしー!」


ぜーむ「ぼ、僕だっていつもやられてばかりじゃないぞ!先生、やっちゃって下さい!」
ウンガガ「———グォオオオオン…ッ!!

アネモネ「ふむ。今夜は牛を使うか」

エリザ「ステーキ…ううん、牛鍋も素敵かしら」

ジル「今夜はビリビリ牛肉祭りですね!」
ぜーむ「驚くどころが、夕食の話をしているー!?」

ドラクル「辻ウンガガをご存じではないのですか。冒険者にとって、ウンガガに遭遇するのは日常茶飯事なのですよ」 穏やかにそう教える老紳士はクロスボウの矢を発射し。ウンガガの眉間を貫いた!
ぜーむ「こんなのおかしいよ…」 *ガクガク…ブルブル…*

 


ぜーむ「く、来る日も来る日も!殺される!僕はこいつに殺されてしまう!たすけて、先生!」 疲労でげっそり痩せたネズミは悲痛な声で助っ人を呼んだ。

アネモネ「貴様は…」
日雇い虚空さん「———悪いが生活が懸かっているのでな。雇われた分は働かせてもらう」

アネモネ「ふははははははははっ!これは愉快、愉快であるな!再び羽ばたいた白き鷹と戦えるなど…はははははははははっ!ふはーはっはっはっはっ!」

ドラクル「そうでございますね。お嬢様」

ジル「マスターのために全力で殺してやるのですです♪」

エリザ「クーポン券集めから、なんでこんなことになりますの…」


エリザは『日雇い虚空さん』に『災厄を宿す剣』で切られた。 エリザはミンチにされた。 エリザ「嘘…」

アネモネ「っ!」 吸血鬼は急いで復活の書を使おうとしたが…
日雇い虚空さんは時を止めた。


*tick* *tick* *tick* 時は再び動き出した。

アネモネ「なぬっ…!?」 朦朧した意識の中、倒れ伏す下僕たちの状況を見れたのは一瞬であった。時が止まっている間に吸血鬼もまたミンチにされていたのだ。けれど、吸血鬼は口角を上げて笑った。愉快愉快愉快愉快、と心の底から楽しそうに。

 


時止めからスウォームで全員ミンチにされた時は笑うしかなかったわ。
ログに~は時止弾を装填した。という表示があるので。LV41以上の戦士は遠隔を装備せずに矢弾に銃弾か光子弾を装備している場合、矢弾のエンチャントを近接攻撃に適用する…で、虚空さんが時止めをした。と思うが…それでも、挑んだ時のステータスでは無理だったかな。

 



エリザ「ひどい目に遭いましたわ。少しは自分の無茶苦茶な行動に反省してくださる」

アネモネ「はははっ!久しぶりの強敵は楽しかったである!」

ドラクル「私も心が躍りましたね。ふふっ」

ジル「次こそ僕の雷でビリビリの焦げカスにしてやるのですですー!」

エリザ「そうでしたわね…あなたたちって、そういうバカでしたわね」
バイトのヴァンパイアさん「お客さ~ん?いつまでも立ち話してないで、景品交換してくれない。ふあぁ…」

アネモネ「ぬう?すまんな。まずは…レプリカ聖杯を貰おうか」
バイトのヴァンパイアさん「我ら闇の眷属にとって忌むべき存在である、神の子…。その最後晩餐において、彼が口にしたとされた神性を帯びた盃———…の模造品よ。罰当たりすぎるでしょう。常識的に考えて。それに飲み物を入れて飲むと、牛乳みたいな味になるわ。背を伸ばしたいなら便利かもね」 急にしっかりとした口調ですらすらと長い説明するバイト。誇らしげな表情から、何度も練習したのかもしれない。

アネモネ「それは良いな。次は《ゴールドベルハンマー》を交換しよう」
バイトのヴァンパイアさん「ゴールドベルを丸々一個、素材として…」

~中略~

バイトのヴァンパイアさん「ふぅ…長々と話して、喉が渇いたわ。今日も売れ残りのトマトジュースを……ううっ、他のものを飲みたい」

アネモネ「休憩のところで悪いが、まだ150枚目の交換が済んでおらぬぞ」
バイトのヴァンパイアさん「え…?もう交換するものなんて…カタログによると———最後の景品は、『わたし』?…は?はぁ…!?ちょっと…!そんなの聞いてないわよ。ちょっと、店長!てんちょー!!」



アネモネ「なにやら事情を抱えておるようだな…。だが、安心せよ。景品として受け取った以上、そなたは我の保護下だ」
アナスタシア「…ありがとう、アネモネだったわね。私は闇の眷属の王、アナスタシア。訳合ってアルバイトで食い繋いでいるわ」

アネモネ「闇の眷属の王とな?」
アナスタシア「これでも私は吸血鬼の姫だったのよ。ノースティリスを一望できる山の奥深くに建てられた城に住んでいたのだけど…父がトマトジュースの事業に失敗して、高跳びしてね…。家は差し押さえられて、莫大な借金だけが残ったわ……」

アネモネ「そういえば…血のように真っ赤なトマトジュース!搾りたて新鮮な味…というのがあったな。すぐに見かけなくなったが」
アナスタシア「飲んだことあるの?」

アネモネ「良い味だったと思うぞ。また飲みたいと思って、店で探したが…もう売ってなくて残念であった」
アナスタシア「そ、それなら!いっぱいあるわ。お父様が絶対売れると大量に在庫を作って、借金のカタに持っていかれなかったトマトジュースが!いくらでも飲んでいいわよ」

アネモネ「おお、それは素晴らしいな。ありがたく頂くとしよう」
アナスタシア(やったー!ずっとバイトバイトで惨めにパンの耳を齧る生活…ついには景品に売り飛ばされる身だったけど、光が見えてきたわ。私は闇の王だけど、希望の光を感じるわ…!)

 



アネモネ「最近、コレクションが増えに増えてな。適当に置いていたら、えらい状態になってしまったのである…。アナスタシアよ、整頓を頼んだぞー」
アナスタシア「え?え?」

エリザ「こうなったのはあなたのせいでしょうー!…ごめんなさいね。時々、手伝いに来ますから。頑張ってくださいね」

ジル「僕もたま~に手伝ってやりますよー」
アナスタシア「えーと…」

ドラクル「それでは、お嬢様の蒐集品をよろしくお願いしますね」
アナスタシア「…」
吸血鬼たちはアナスタシアに自宅警備を任せて、旅立っていった…

アナスタシア「もうバイトはこりごりよーーーーっ!」 半泣きの吸血姫は悲痛な声を上げた。

 

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