アネモネ「むう。氷の遺跡に向かおうにも神々からもらったものが重いのである。どこかに倉庫でも建てるか…」
ドラクル「お嬢様、あちらにいい感じの森がありますよ」
アネモネ「いい感じ?」
アネモネ「おお、ほんとにいい感じの森である。周りにモンスターの気配がないうえに、先日見かけた移動装置があるのである」
ドラクル「村で聞いた話だと、昔はよく使われたらしいので。ここは寺院へ向かう中間地点として使われていた場所かもしれませんね」
アネモネ「なんにせよ。休憩や荷物を置くにはちょうどいいところである。ねこに持っていくように言われたアーティファクトは《グングニル》《フレイの剣》《トールハンマー》だったな。他のものはここに置いておこう。ああ、そうだ。貴様らはここで荷物を見張れ」
ヴァルキリー・ドワーフ・召使い「えー」
アネモネ「えー、ではない。見張りも大事な役目というやつである。任せたぞ」
ジル「わぁ~ 壁も床も天井も氷ですです~♪綺麗ですです♪」
アネモネ「まるで美しくも冷たい氷の国メイルーンかのようだな」
エリザ「雪原を歩いてきた先には寒々しい氷で作られた遺跡… 寒い…寒いですわ…」
アネモネ「そんなに寒いなら、我のマントの中に入るがよい。冷え切ったエリザの身体を温めてやろう♪」*バサァ*
エリザ「……っ!?な、なにを言っていますの!!破廉恥ですわっ!!!」*バシーン*
アネモネ「ぬわーーーーーーっ!!?(半分ぐらいは)親切心だというのにひどいのである」
ジル「あ、あの、僕。マスターのマントに入りたいのですです」
アネモネ「ジルは愛らしいであるな~ 良いぞ良いぞ」
ドラクル「お嬢様。私も入りたいでございます」
アネモネ「我のマントが破けるわ」
エリザ「あなたたち!いつまでも遊んでないで、早く探索に行きましょう。置いていきますわよ」(少女は不機嫌な様子で階段を降りていった)
ドラクル(何年経っても、素直ではないですね)
アネモネ「中は… ほう。モンスターがぞろぞろとおるな。部屋もランダムに生成されるようだ。ネフィアと同じである。なら、いつもどおりどんどん降りていくとしよう」
普段のプレイでは見かけない氷系マップチップ(たしかテストワールドの関所だけ?)がランダムマップとして生成されていて、なかなか新鮮だな。
アネモネ「触手である」
ドラクル「触手でございますね」
アネモネ「ほ」
エリザ「…」
アネモネ「た、倒すぞー 下僕たちよ!」(エリザの顔が今まで見た中で恐ろしいものになっていた。怖かったのである)
アネモネ「降りても降りても氷に覆われた場所であるな。そういえば… ぬ?アーティファクトが光って、ぬわっ!?まぶしっ!」*カチ* 3種のアーティファクトの偉大な力により、階段の封印が解かれた!
アネモネ「この封印が解かれたようだな。神の力によって封印されたものか… ふふふっ。何が出るか楽しみであるな」
頑張るお嬢様「あら、お久しぶりですわね!異国の地で3・4年ぶりに再会なんて、運命的ですわ…♥ うふ♪剣を交えましょう♪」
アネモネ「おお、ちょうど喉が渇いていたのである。いただきますであーる」*かぷっ**キャー*
エリザ「あの」
アネモネ「ひっ!?いや、その…ちょっとだけ、すこーしだけ。おやつに吸っただけで」
エリザ「私たち、さっきまで封印された階段を降りてきたのですけど。なぜ、頑張るお嬢様が降りた先の部屋にいるのですの???」
アネモネ「そのことか… エリザ。その程度のことで、頭を悩ませるものではない。世の中には天井も床もトゲだらけで途中に鉄格子がある廊下の先や、特別な2つの指輪がないと開けない隠し部屋の先になぜか先回りしている娘がいるのだから」
ドラクル「他にドゥエと叫びながら上下に飛び跳ねながら高速移動する男や、互いの名を叫んでいる間にまったく別の場所へ移動するカップルがいるようですね」
エリザ「…その人たちは人間ですの?」
アネモネ「人間らしいぞ。本当に人なのか怪しい部分があるようだが」
アネモネ「今までと雰囲気が違う場所に出たな。 …死の匂いがする」
エリザ「なんですの、ここ… アンデッドだらけで。なんだか私たちを見て、笑っているような… それに氷に覆われてないのに。氷の遺跡より、ずっと寒いですわ」
ドラクル「敵意はないようですが、どうされます?お嬢様」
アネモネ「ふ、ふふふっ。ふはははははっ!」
ジル「マスター?」
アネモネ「面白いことを思い出したのである。ふふふっ。 …ああ、そうだな。ここは陰気でつまらぬ。真っ赤な色に染めて」
「お姉ちゃ~ん」
アネモネ「この声は…!」
「お姉ちゃん?お姉ちゃん?お姉ちゃん?お姉ちゃん!見つけたよ♪ずっと一緒にいようね♪」
アネモネ「ぬわーーっ!これ以上、妹を増やすわけにはっ!逃げるのであるっ!!」
エリザ「珍しく同意見ですわーーっ!!」
吸血鬼たちは妹から逃げ出した!
寺院に戻ってきたアネモネたちが何か言う前に、ねこはそう言い残し。一瞬の間に姿を消した。
エリザ「ねえ。本当にこの先に行くつもりですの?私たちをあんな場所に行かせたねこの言うことなんて今更信用できませんわ。ですけど、終末が訪れる…という言葉に、とても嫌な予感がしましたの」
アネモネ「だからこそ、行くのである」
吸血鬼は《常闇の眼》の知識の中にあった予言にわくわくと心躍らせた。氷に覆われた昏き世界から死者が、生者や神々の世界に溢れ。高らかに鳴る角笛ではじまる。滅びへの戦争。そして…
アネモネ「神々が滅ぶなんて、滅多に見れぬことだ。それにすべてそのとおりなのか、興味深いのである」
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