クレイモア吸血鬼の旅行記38


頑張るお嬢様「あ… 貴方は…はぁうん♥この前、貴方に貫かれた傷が疼いて熱くて、もう抑えられ…キャー♥♥」
頑張るお嬢様は赤く染めた顔を両手で覆い、走り去った。とても気まずい空気を残して
アネモネ「ふ、ふははははっ!また封印を解いた先にいるとは、まことに不思議な娘であるな!」
エリザ「この前、その程度のことは気にすることではないと言っていましたわよね。それに一旦荷物を片づけにいい感じの森に寄りましたし。その間に入ったのでしょう」
アネモネ「そうであるな~ では、あの娘に先越されないように急ぐとしよ… ぬぐっ!?」(少女の細い指が吸血鬼の白い頬をひっぱる)
エリザ「女の子なら誰でもいいのですの?可愛くて綺麗な娘なら、だ・れ・で・も!噛みつきますの!?この牙は!!!」
アネモネ「いたっ!いひゃいのである!し、真祖である我は乙女の血でしか満たされないのである。だから、吸血は必要なことで」
エリザ「嘘おっしゃい!風呂上りにトマトジュース飲んで生き返るのである~と満面の笑顔で呟いているところを見ましたわよ」
アネモネ「いや、その、トマトには… いたっ!我の話をき、ぬわああああーーーーっ!!」

 


アネモネ「ううっ… 我の美しい顔が。頬がヒリヒリするのである。そこの川の水で冷やすか」
チョウチョはビアを飲み干した。「たまらないわ」チョウチョは酔っ払った。
アネモネ「チョウチョがビアを飲んでおる… ぬ?よく見るとあちこちに酒瓶が転がっているな」
ドラクル「天の国では酒の流れる川があると聞きますが、この川は酒瓶が流れていますね」
アネモネ「なんとも雑な光景である。…やけにクリムエールが多いな。雷神に多く捧げたのはクリムエールであったな。あの酒好きが川に酒を捨てるわけがない。何かあったのかもしれんな」

 


アネモネ「緊張した空気を感じるのである。油断するな。我が下僕共」
頑張るお嬢様「あら、また会いましたわね!も、もしかして。わたくしのことを追いかけて…!?そんないけませんわ。これ以上激しく求められたら…♥」
アネモネ「すまぬ。今の我は期待に応えられぬのだ。……あとでちょっとだけ」
エリザ「戦闘中に脳天に弓矢が刺さっても、よそ見してるのが悪いのですわ」(吸血鬼は背後から弓がしなる音が聞いた)
アネモネ「…はい」


アネモネ「ぬわっ!?殺気を放っていたのはこやつか。このような巨大な蛇、はじめて見るのである」
呑気なことを呟く吸血鬼に毒ブレスが吐かれた!
アネモネ「ぬぉ!?口からものすごい酒の匂いがするのである!? …雷神を倒して、食べたのか?」


アネモネ「かなり傷ついているようだが、巨体だけあって一気に倒すことはできぬようだ。2体のモンスターを相手して戦うと考えよ」
頑張るお嬢様「うふふっ!わたくしがいることを忘れていませんこと?貴方には負けませんわ!」
アネモネ「ふっ。好きのようにするがよい。そうだな。貴様が蛇の息の根を止めたなら褒美くれてやろう」
ジル「マスター… それって、僕たちでもご褒美をもらえるチャンスがあるのですです?」
アネモネ「あるぞ。まあ、我がトドメを刺すかもしれんが」
エリザ「それはないですわ」
アネモネ「すぐ否定されるとは… 我、わりと傷つくぞ」


エリザ「そっちが引き寄せる力があるなら、私にもその力がありますわ!」
少女は異形の森の弓の弦を引く。古き森の民が魔法をかけた弓。どんな矢であろうと、射撃された瞬間に魔力が宿り。射られた者に毒を与え、狙撃者の元で引き寄せる異次元の手が発動する。が、蛇のあまりにも巨体にそのすべてを引き寄せることが出来ず。半端に空間の歪みの影響を受けた結果。巨大な蛇は生きたまま2つに裂かれた。
アネモネ「おお、凄まじい姿である。しかし、まだ生きているようだな。さすが、神の子というべきか」


頑張るお嬢様「くっ、速い。わたくしが敵に近づく前にどんどんHPを削っているなんて…!でも、わたくしは諦めませんわ!!」
ジル「マスターのご褒美♪マスターのご褒美♪マスターのご褒美♪マスターのふひっ♪ひひひひひひひひひひっ♪♪」*轟音の波動*轟音の波動*轟音の波動*轟音の波動*
頑張るお嬢様「キャー」頑張るお嬢様は混乱した。頑張るお嬢様は毒におかされた。
ドラクル「まだまだでございますね」


ドラクルは負傷した『ヨルムンガンド』を射撃しミンチにした。
アネモネ「勝負ありー!いつ見ても素晴らしい動きであった。ドラクル」
ドラクル「お褒めの言葉、ありがとうございます。お嬢様」
アネモネ「さあ、言え。貴様の望みをな」(ルルウィの加護を持つドラクルが有利であると知っていたが、予想通りか。面白みが欠ける遊びであったな… 次はもっと面白く)
ドラクル「お嬢様。あまり楽しまれていないようですね」
アネモネ「ふ、バレバレであるか」
ドラクル「そのように遊んでいられてないで、エリザさんにもう少し真摯に向き合ってみたらどうです」
アネモネ「…余計なお世話だ。と言いたいところだが、それが貴様の望む褒美か」
ドラクル「はい」
アネモネ「……別のものにしないか」
ドラクル「変えません」
アネモネ「たまに我に意地悪だよな… わかった。努力しよう」

 


頑張るお嬢様「今回は負けましたけど、次こそは勝ちますわーーーーっ!!首を洗って… 首を綺麗にするべきなのはわたくしなのかしら。貴方に噛まれた傷が痛むたびに胸がドキドキして…はぅ♥」
恍惚とした表情を浮かべた頑張るお嬢様は去っていった。再び、なんとも気まずい空気を残して。
アネモネ「………エリザ」
エリザ「なんですの」
アネモネ(ひえー 怖いのである)「我が乙女の血を吸うことがそんなに不愉快か?」
エリザ「え?どうしましたの。急にそんなことを聞くなんて… まあ、いつもの気まぐれなんでしょうけど」
アネモネ「気になったのだ。食料として扱っていると、同じ女として不快に思うのか」
エリザ「そうだと、答えましたら。やめてくれますの?」
アネモネ「退屈は死に至る病だ。吸血は我の愉悦。なにも楽しみがないことは精神の死となる。どうしても嫌だというのなら、我の元から去ってよいぞ」
エリザ「…本当にどうしましたの。いつものあなたじゃないですわ」
アネモネ「我はただエリザがどう思っているのか知りたいだけだ」
エリザ「どうって… 私は… あの時の一度きりじゃないですの」
アネモネ「ぬ?なんのことだ?」
エリザ「だーかーらっ!!私に吸血したの、眷属として契約を交わしたっきりと言っていますのーーーーっ!!!」
アネモネ「…」(そうであったな。我をえらい避けるので苦労したのが懐かしい。吸血されることを嫌がっていたから、対象に選んでなかったのだが… つまり、我にそうされたい好意があったのか)「ふ、ふふふふふふふふふっ!ふはーっはっはっはっ!そうかそうか、エリザは我にしてほしいと。ふふふふっ、ならば優しくあまーーーく吸ってやろう!!」
エリザ「今、ものすごくうっとうしいので、嫌ですわ」
アネモネ「なぜであるーーーーーーっ!?」

ドラクル(最後まで真面目に話せば良かったかもしれませんが。まあ、お嬢様らしいですね)
ジル「僕もマスターに吸血されたいですです~」

 


冒険者がボス戦マップにいたら即リロードするが、今回のボスはそこまで強くないし。頑張るお嬢様を参加させるの楽しそうかなと思っていたが… けっこう速度差があったな。