聖騎士吸血鬼の伝説8 ノースポイント-咲いた咲いた赤い花が-



アドニス「薔薇色、薔薇色、薔薇色と、いっぱい咲いていて…今日は良い花狩りになりそうだな」

ルシアン「はは、確かに綺麗だな~…って、モンスターじゃないか!」

アドニス「そうだが?今日は『流血花』という血を養分している危険な花を狩りに来たのだぞ」

ルシアン「わかるか。ピクニック日和だと思って、弁当も作ったのに…まず、こいつらを倒さないとな!」



アドニス「…っ!」
素早く冥界の使いを倒そうとマジックミサイルの杖を振るうが、それによってヘイトが向き。放たれた地獄の吐息によってHPが半分も削られた。アドニスの苦痛に歪めた顔を見て。ルシアンは焦った様子で、冥界の使いに殴りかかろうとしたが、阻むように人食い花が襲ってくる。

ルシアン「くっそ、クソ花がっ!サングラスで軽快に踊ってろ!」

アドニス(ユーモラスな光景が思い浮かぶ…)「大丈夫だ。これぐらいなら、癒しの手の杖ですぐ回復して…はふっ!?」 少年はむせた。胞子きのこが飛ばした胞子が飛んできたのだ。


粘つく粉っぽい胞子が少年の顔を覆う。頭が少しぼんやりして、視界が揺れるが…アドニスは金の瞳を細めて、冥界の使いがどこにいるのか確認する。戸惑っていたら、地獄の吐息でまた致命傷を受ける。なら、ただただ倒すことに集中しよう。魔道具を握り振るうと、緑の野に真っ赤な炎の花が咲き乱れた。

アドニス「菌って、ベトベトするんだな…。俺は魔道具を使っていくが、ルシアンは近接だ。混乱状態…つまり命中率が下がる胞子に気をつけろよ」

ルシアン「心配無用。いくらネバネバになろうが、数打てば当たる!…いや、坊ちゃんの教育上よろしくない光景になってしまうか!?」

アドニス「冬虫夏草のことか?安心しろ。ルシアンが胞子の苗床にされそうになったら、燃やしてやるよ」 少年は心からの善意で言っているようだ。

ルシアン「はは…こえーよ。こんがりぃに焼けないように頑張るぞー」

 


何度かアドニスが瀕死になりながらも、中央部屋のモンスターたちを一掃し。安全地帯を確保した2人は、慎重に潜んでいる奴らを誘い出し、倒していった。騒々しかった花園はだいぶ静かになってきた…。風に乗った花の匂いと血臭が嗅覚をくすぐり、ルシアンは一息ついた。

ルシアン「ふぅ…踏み荒らしているせいか、棘が刺さってくるな…」
袖が裂けた腕を見ると、血が滴っていた。なんとなく一滴、落ちていくのを眺めていると…地面から巨大な蕾が飛び出した。まるで口のように花弁を開き、ごくりと血を飲み込んだ。

ルシアン「うわああああっ!フラワーサメっ!?いや、こいつが『流血花』か!?」

アドニス「すごく活きが良いな。これなら、素敵な花束が作れそうだ」

ルシアン「え?花束??」

アドニス「血をたっぷり啜った花らしいから、父上と母上への贈り物にぴったりだと思ってな」

ルシアン「そ、そうなんだ…」(吸血鬼には嬉しいものなのか…?)



アドニス(近づけば、切り傷。離れても、茨を伸ばしての攻撃…。そうだ。稲妻の軌跡の杖でダメージを与えつつ、麻痺を狙って…)「あ」

ルシアン「ぐああああああっ!しび、しびれれれりゅぅ~~」

アドニス「しまった!ルシアンすまない!」

ルシアン「はぁ…はぁ…ちょっと気持ち良かった。よし、筋肉がほぐれたし、どんどん殴っていくぜー!」

アドニス「頑丈な奴だ…」


ボルトは『流血花』に命中し燃やし尽くした。

アドニス「…良かった。『流血花』の死体は調理されてないようだ」

ルシアン「そうかー。ステーキな花束にならなくて良かったな。ははは」

アドニス「ところで弁当作ったと言っていたな。料理が出来るなんて…正直驚いたぞ」

ルシアン「ふふん。驚愕の果てに俺を尊敬するといい。味の達人と崇めよ」
自信満々にルシアンは朝一に即興で作った弁当をアドニスに見せた。ハムをハムで挟んだハムサンド。トリプルハンバーグを貫くソーセージ。焼肉を巻かれた肉団子。肉、肉、肉の祭典であった。

アドニス「野菜をくれ」

 


さすがに難しそうかなと思いつつ挑み。なんだかいけそうと何度か試して突破できた。数は多いが、地獄の吐息を使ってくる冥界の使いを優先的に倒し。中央の安全を確保したら、『流血花』に近づかないように、残りの部屋を片付けていく。癒しの手の杖など、回復アイテムをそれなり集めてないと猛攻に耐えるのがきついかな。

 



ルシアン「こう並べると壮観だな~。報酬で懐もあったかいぜ」

アドニス「またビアを飲みすぎるなよ」

ルシアン「ふふ、酒は飲んで飲んで飲まれて飲むものだ。アドニスも飲めるようになったら、わかると思うぞ」

アドニス「…飲める!」
ルシアンの言葉に、アドニスはなんだか苛立った。ビアを手に取り、中身を飲み干す。口の中に苦みが残り、少年は不味そうに顔をしかめる。アルコールが細い身体に回り、見る見る頬が赤く染まっていく。

ルシアン「そんな一気に飲むのは…うわ、フラフラしているし。倉庫の中で休もうぜ」

アドニス「………。りゅしあん…行くぞ。楽園に…!」
そう言い放った少年は歩き出し…倒れそうに大きく傾いた。ルシアンは慌てて腕を伸ばしたが、空振りした。呆気にとられていると、風を切る音が聞こえ。目を向けると、1匹の蝙蝠が飛んでいく姿が見えた。ルシアンにはすぐ理解した。蝙蝠はアドニスだ。まともに歩けないから、変化したようだ。

ルシアン「どこに行くんだ!?待ってくれー!」

 

~楽園?~

地雷侍は爆発した。爆風がアドニスに命中した。あなたは破壊された。


クリックリングの弓使いはマジックミサイルの杖を振った。矢はアドニスに命中した。あなたは死んだ。

 


アドニス「ぬぉわあああああっ!?」
少年は飛び起きた。心臓が激しく動いている。それぐらいに先刻の光景は恐ろしかった。落ち着こうと深く息を吸おうとし。ふと、目を丸くしているルシアンがこちらを見ていることに気付いた。周りを見ると、そこはネフィアではなく。ノースポイント拠点から東にある倉庫の中であった。

アドニス「そうだ…俺、ミンチにされて…」

ルシアン「何を言っているんだ?酔っぱらった坊ちゃんを追いかけたら、すぐ近くのところで寝ていて…思わず、ギャグみたいにコケてしまったぞ」

アドニス「夢…だったのか?お前と一緒に咎人の楽園という場所を進んでいたんだが、ハウンドの群れに囲まれたり、爆発に巻き込まれたりと、最下層に到着する前で終わってな…。そういえば、日付が2月…いや、3月の末だった気がする?」

ルシアン「ははは、まるで予知夢みたいだな」

アドニス「嫌なこと言うな。夢で見たことが当たるなんて、ゆっくり眠れなくなるじゃないか。…でも。夢の通りなら、道中を切り抜けられるようにならないとな」

ルシアン「そんじゃ、俺たちの拠点であるノースティリスに戻ろうか。護衛依頼を減らして、ネフィア探索をどんどん増やして慣れようぜ。あと、良い装備が拾えるといいなぁ…」


続けて咎人の楽園もクリアできるのでは?と行ってみたが、惨敗だった。主に道中で。もっと装備整えて…新メンバー増やしてから行くかな。