ルシアン「あれ…坊ちゃん。そんなところで何してんだ?」
寂れた家屋に入ろうとしている少年を見かけ。ルシアンは何気なく声をかけた。
アドニス「……見つかってしまったか」
ルシアン「どうしたんだ?俺に内緒だなんて」
重々しく真剣な表情をする少年に、思わずルシアンも真面目な顔になった。
アドニス「ルシアン。俺はそれなりに成長した、と思わないか。だから、もっと…危ないことに挑みたいんだ」
ルシアン「水くさいなぁ…俺にも付き合わせてくれよ」
アドニス「いいのか…?初めてで…上手くいかないかもしれない。もしかしたら、ルシアンを傷つけ汚してしまうかもしれないが…」
ルシアン「うん…?」(そういえば、何しようとしているんだ?人気が無い場所で、初めて……いやいや、何想像してんだ俺)
アドニス「一緒に来てくれるか」
少し恥ずかしそうに微笑みながら、アドニスは部屋の奥にある階段へ歩いていく。
ルシアン(アドニスは…吸血鬼だ。”傷つけ汚す”とは吸血行為ってことじゃないか…!?)「俺は…1度約束したことは破らねぇ!行くぜぇ!」
*デッデッデデデデ カ*
アドニス「依頼人の話によれば、坑道にプチが棲みついているらしい。俺1人でも達成できるはずだと、初めて腕試ししたいと思っていたが…もしかしたら、上位種のスライムが出てくる可能性がある。いざとなったら、力を貸してほしい」
ルシアン「…そっかー。スライムが出てきたら、酸攻撃で装備が傷つくし、飛び散る体液がヤバいもんなー。ははは……いや、これは絶対坊ちゃんの言い方が悪い!」
そう叫ぶとルシアンはアドニスの柔らかな頬を指で挟み、伸ばすように揉みはじめた。
アドニス「何が…?ぬぅおわあっ!?」
ルシアン「はぁ…。坊ちゃんのほっぺた…すごく良かったな」
アドニス「遊んでいるなら、帰れ」
*ガチャガチャガチャガチャ* 開錠に失敗した。開錠に失敗した。開錠に失敗した。開錠に失敗した。
ルシアン「ええー」
アドニス「…」
*ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ* 開錠に失敗した。開錠に失敗した。開錠に失敗した。開錠に失敗した。開錠に失敗した。開錠に失敗した。開錠に失敗した。開錠に失敗した。
ルシアン「扉、叩き壊してやろうか?」
アドニス「俺は鍵で開ける…!」
*カチャ* あなたは扉を開けた。
アドニス「よし、開いたぞ」
ルシアン「ロックピックは鍵なのか…?いや、ロックピックを使ってなかった…どうやって開けたんだ!?」
アドニス「開くから開くのだろう」
最近、どっぷり遊んだスカイリムだと鍵がかかった扉をロックピックで開けていたので…無くても開けられることに疑問が出てしまった。
ベスプチは氷の彫像になった。
ルシアン「おお、良いダメージが出せているな~」
手袋に付与されたエンチャント追加属性攻撃の威力は素晴らしく。思わず少年はじっくりと凍りついたプチを眺めた。
アドニス「…愛らしいな」
それは生きていたプチの氷の彫像だ。
ルシアン「…持ち帰って、飾らないでくれよ」
アドニス「…」
ルシアン「…えっと、冗談だよな?」
アドニス「ふふっ」
ルシアン「ひええ…」
アドニス「ぬう…」
*ガチャガチャガチャガチャ* 開錠に失敗した。開錠に失敗した。開錠に失敗した。開錠に失敗した。あなたは扉を開けた。
アドニス「よし!……見えるかぎりではプチしかいないな。これなら、俺1人でなんとか出来そうだ」
ルシアン「坊ちゃん。それはいけないなあ。昔からスライム系に油断→薄い本になってしまうんだぞ~」
アドニス「…お前。そういうの読むんだな」
ルシアン「あら~」
ルシアン「とか言っていたら、奥にスライムが潜んでいたか…俺が前に」
アドニス「大丈夫だ、考えがある。スライムはプチたちに挟まれ移動できない状態だ。プチを壁にして、銃で狙い撃ちにすれば、俺たちがいる場所まで酸が飛び散らないはずだ」
ルシアン「なるほど~ 大量のプチと細道だからこそな戦法だな」
アドニス「ただ…。酸の海ダメージで、スライムを倒す前にプチが溶けてしまうかもしれない。すまないと思うが、その時は」
ルシアン「任せろ。酸で服をどろどろにされ、パンイチになっても戦う俺の姿を見せてやるっ!」
アドニス「見せるな」
アドニス「よし、ここら辺のスライムはすべて倒せたようだ」
ルシアン「坊ちゃん可哀想に…。俺の艶姿を見れないとか」
アドニス「何を言っているんだ…」
ルシアン「まあ、この扉の先に…まだまだチャンスがあるかもしれないが!」
アドニス「そんなものはなくていい」
奥の扉を開くと、部屋中にひしめく液状のモンスターたちがいた。沢山のプチに、数体のスライム、そして分裂という特性を持つバブル。まずはスライムからミンチしようと射撃していたが…飛び散った酸によって、壁にしていたプチが溶け。スライムが隣接してきた…!
アドニス「しまった…!?」
ルシアン「ここまでいっぱいだと…ドーンと、爽快にやりたくなるよな」
アドニス「何を言って……そうか、魔道具か!」
先端に青い石が付いた杖を振るうと、その先々にいるモンスターたちは凍りつき。何体か、氷の塊となって粉々に散った。
ルシアン「ははは、派手にやるじゃないか。俺もババーンと、拳に炎や氷を纏わせて突進したいな」
アドニス「あくまでも、格闘にこだわるんだな」
ルシアン「拳で戦う…!最高だろ」
アドニス「うむ…わかる」
序盤の魔道具はホント心強いものだ。配達依頼を繰り返し達成するだけで、けっこう増えるし。
ルシアン「無事に終わったな~ 俺がいなくても問題なかったんじゃないか」
アドニス「そうかもな。しかし、ルシアンが隣にいるから冷静に対処できたと思う。助かった」
ルシアンはその言葉に嬉しくなって、にやけていると。アドニスは地面に散乱したアイテムからベスプチの体液…血液が詰め込まれたパックを拾い。蓋を外して、中身を吸いはじめた。見慣れた光景だが、ふと坑道に向かう前の出来事を思い出し。なんとなく思ったことを尋ねた。
ルシアン「美味い?」
アドニス「ぬう?…肌がつやつやしそうな…どちらかと言うと、甘い。まあ、普通に美味い方だな。……間違っても、俺の感想で飲もうとするなよ」
ルシアン「さすがにしねぇよ。アドニスって、直接吸血したことある?」
アドニス「急に変なこと聞くな……無いよ。初めては、特別なひとがいいな。と」
ルシアン(吸血鬼にとってはファーストキスになるのか…?)「ふふ、人生の先輩である俺が色々とアドバイスしてやろう」
アドニス「いらん。そういう…そんな本の知識だろ」
ルシアン「なんで分かって…いや、本当に経験あるんだぞー!おい、話を最後まで聞けって…俺を置いていくなー!」
RP会話を書いてて、ふと思ったのだが…変なところに坑道の入り口があるよな。掘り進めている方向的にヴェルニース墓地の地下に届くのでは?
久しぶりに適正LVで挑んでみると、子犬の洞窟はネフィアからペットと共に無事に帰る。スライム坑道は大量のモンスターと酸攻撃持ちへの対処方法を覚える。と、改めて序盤向けに作られているな~と思う。
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