聖騎士吸血鬼の伝説16 メデューサに首ったけ

elonaプレイ日記月明かりの祝福『アドニス』



アドニス「これは…」
血だまりの上に転がる艶やかな弦楽器。下手に触れば砕けそうな透き通った硝子細工のバイオリン。演奏の名手の元に訪れるという、伝説の《ストラディバリウス》だ。その音色は群衆の心に大きく響き、奏者へ感謝の贈り物をする者が後を絶たないという。
誰かが持っていた貴重品だが…。憐れんでも、別の誰かが拾うだろう。少年は手に取り。おもむろに弾いてみた。弓が弦に触れ。そこから生み出されるのは…軋みだ。まるで長い眠りについていた錆びついた機械兵が動こうとしている、そんな音。要は恐ろしいほどの下手くそであった。

デイビッド「なんですかい、この音は!?拷問器具でやすか…!?」

ルシアン「…」 フォローの言葉すら出てこないほど、ルシアンは驚愕していた。

アドニス「…すまない」

 

私の中では、たまにネフィアに落ちてる印象になっているストラディバリウス。職業がピアニストになっているモンスターが、わりと落とす影響だろうな。後はベイベーの日のネフィア。



アドニス「名器だろうが、まずはスキルLV上げないとな…。演奏依頼にはザナンの強肩という演奏に厳しい人がよく参加するらしい。せめてLV10以上ぐらいには鍛えたい」

ルシアン「このプチ牧場って、演奏用だったんだな。てっきり吸うために増やしているのかと思っていたぜ」

アドニス「吸う?確かにプチに顔を埋めるのは気持ちよさそうだが?」

ルシアン「いや、啜る方の吸血だ。前にプチの体液をお肌つやつやする~って、飲んでいたから」

アドニス「このプチたちは俺の可愛いプチたちだ。そんなことをするわけないだろう。ほら見てみろ、演奏を聞いて…いまいち喜んでないけど。可愛いだろう」

ルシアン「そ、そうか…頑張れよ」

デイビッド「妹の館で妹を大量に増やして、演奏を聞かせる方が効率が良いと思うんすけど」

アドニス「…俺に、自らの手で妹を増やせというのか?」
脳裏に浮かぶ。街中を歩けば、かならず見える妹の愛らしい姿。どこを見ても、沢山の妹の姿がある。作物から、果実の木から、壁の中から、水の中から。妹はどこにも居る。その妹を…?

デイビッド「…いや、なんでもないでやすよ」 何か正気が失われそうな気配を感じたメイドは提案を止めた。

 

善人RP縛りなので、妹の館で増殖させた妹で演奏スキルを上げる方法はやらないです。プチ牧場でのんびり上げることになるが、ブースト装備が集まっていけば、★2・3はクリアできるようになるだろう。ついでに書いておくが、クッキー工場も禁止になっています。老婆に終末武器を持たせるなんて…アドニスではしませんよ。…思っていたより、育成大変な気がしてきた。

 


機械のマニは激怒した。「やってくれたな。裏切り者め!」あなたは雷に打たれた!あなたは今や癒しのジュアの信者だ!「べ、別にアンタの活躍なんて期待してないんだからねっ」

アドニス「ふぅ…天罰は身体が重くなるな。ルシアン、先にジュア様を信仰した方が良いと言っていたが、どういうことなんだ?」

ルシアン「それはな~。まず信仰上げてから、な。ジュア様への捧げものなら、いっぱい集まってるだろう」
その言葉に少年は鞄の中にある、零れそうなほどクズ石を詰めた袋を見つめ…ふと思う。

アドニス「父上は癒しの女神はこれを大変に好むと言っていたが…大地の神ならともかく、本当に喜ぶのだろうか?」

デイビッド「いやいや、それで正解でやすよ。天上の女神さんは大喜びするでしょう」

ルシアン「そうだそうだ。親父さんはそんな嘘つくわけないだろう」(冗談は言いそうだけど)

アドニス「う、うむ?」


「ア、アンタのためにしてあげるんじゃないんだからっ」(あわわ…また大量のクズ石が…。早く終わって~)


アドニス「ありがとうございます」
少年は笑顔で礼を言い。足元に転がった、光り輝く秘宝と宝玉を拾った。

デイビッド「アニキが言っていたブツはそれでやすか?」

ルシアン「ああ、これさ。★ジュアの聖なる雨の宝玉は使用すると全体回復できる上。祝福するとスタミナも回復するんだ。幸運の女神への捧げものに何度も釣りをするだろう。だから、先にジュア様を信仰して宝玉をもらった方がいっぱ~い魚釣りができるだろ~」

アドニス「なるほど。ルシアンには本当に助けられるな」

ルシアン「ふふっ。お礼は坊ちゃんをいくらでも撫でまわす。で、いいぜ」

アドニス「尊敬ポイントが変態ポイントに変わったぞ」

 

防衛者は冒険者になりました。基本的に神の化身は旅立ってもらいます。

 



ジル「お帰りなさいませ。坊ちゃま。ご飯にします?お風呂にします?そ・れ・と・も」

アドニス「ジル兄…!?」

ルシアン「なんだこの像は…!?」
驚く少年たちの視線の先には一体の石像があった。こんな像、自宅を出る時には無かったものだ。出入口近くに置かれ、どう考えても邪魔だ。

ジル「ブラックマーケットに流れていた訳アリ物品ですよ。クリスが持ってきたんですけど…。僕はいらないので、ここに飾っておこうと思ったのですです」

ルシアン「マジで迷惑じゃねーか。持って帰れ。あと、そのクリスさんに謝れ」

ジル「嫌ですよ。また持ち運ぶなんて。坊ちゃまは僕の贈り物を気に入ってくれましたよね?」

アドニス「え、その…」

ルシアン「アドニス。俺に毒舌吐くみたいにガツンと言えよ」

アドニス「……ジル兄。話を聞いてくれないか?出来れば、2人きりで」

ジル「はい?」

ルシアン「…?」

 



ジル「…何でもおっしゃってよいですよ。マスターから、なるべく助けになってほしいと頼まれていますから♪」

アドニス「そう、父上に…。私は、皆の助けになりたい。だが、魔法や、武器も…未だ上手く使いこなせていない。だから、あなたの力を借りたい」
口調も雰囲気もどこか近寄りがたいものに変わるアドニス。だが、ジルは特に驚くことなく。話を続けた。

ジル「僕に同行してほしいと?別に構いませんよ。ただ僕には旅の連れがいますからね。常には」

アドニス「いや、ジル兄に望んでいることは…」

 



デイビッド「ボスとパパ、何を話してんすかね…」

ルシアン「…さあな」
ルシアンは2人が消えていった部屋の扉をぼんやりと見つめる。少しホームシックになって家族の話でもしているのだろうか。それとも、吸血鬼同士だからこその相談をしているのか。…自分には話してくれないのか。と、考えたところで…我ながら感傷的だと思い。気分を変えようと別方向を見る。すると、ジルが持ってきた謎の石像が視界に映った。

ルシアン(訳ありとか言ってたけど…う~ん。ただの石像にしか見えねぇよな?)
石像の人物はフードを深く被っており、顔の上半分が見えない。だが、滑らかな曲線を描く輪郭から年若いと思う。隣に立つとルシアンより少し小さい。たぶん少年か、女性。体型がわかりにくいゆったりとした裾長いローブのせいで、性別も曖昧だ。見れば見るほど、本物の人間のような緻密さがあり。あまり芸術の知識が無いルシアンでも、つい眺めるほどの迫力を感じた。

??????「…」

ルシアン(石化された人間だったりしてな~…)
手を伸ばし、頬を触ってみると。手首に巻いているネックレスの十字架がコツリとぶつかった。やはり想像通り冷たく硬い。

ルシアン「…」(暇のあまり、何やってんだろ。俺…)
まだ話は終わらないのか…と、再度。扉を見つめるが、出てくる気配はない。ルシアンはめんどくさそうに横に転がろうとしたが、

??????「…」

ルシアン「あれ?なんか色付いてね?」

??????「…?」 色鮮やかになった石像?は瞬きをした。

ルシアン「…。うわあああああああああああっ!?」

 



アドニス「どうしたんだルシアン!?」
悲鳴を聞きつけた少年はひどく慌てた顔で、扉を開き。真っ直ぐとルシアンの元へ駆け寄ろうとしたが、その隣には見慣れない。いや、見覚えはある人物が立っていた。ゆったりとした青いローブを着た、その背恰好はジルが持ってきた石像にそっくりだ。けれど、今は彩色したかのように、灰色の肌は瑞々しい褐色に。黄金を溶かしたような金髪の三つ編みは柔らかに垂れている。困った様子でこちらを見る瞳は、アクアマリンのように透き通った水色だが、宝石ではなく生きた人間の目だ。アドニスは困惑し。答えを求めるように、のんびりと後ろから歩いてくる赤髪の魔術師を見た。

ジル「マヌケな声が聞こえたと思ったら…ああ、元通りになったのですか」

ルシアン「”元通り”?お前、何か説明してないことあるだろ!?今すぐ話せ、話すんだ!」

ジル「やかましいわんちゃんですね。訳アリと言ったでしょう。それ、石化された人間だったのですよ。クリスは呪いの解除を試みていたようですけど、まったく解ける気配は無く。それで落ち込んで鬱陶しかったので、僕なりの親切心で知らないところに置いていくつもりでしたが…解けるとは。何をしたんですか?」

ルシアン「へ…?少し触っただけだぞ?」

ジル「はわ…破廉恥。坊ちゃま、こんな奴と別れた方がいいですよ」

アドニス「時々、考える…」

ルシアン「ええっ!?」

デイビッド「日頃の行いだと思いますぜ」

??????「…頬を、少し触られた覚えはあるよ」

ルシアン「そうそう。ほっぺたをすこーしだけ…あ、すいません。なんか俺たちばっか話していて」

??????「気にしないでくれ。君もひどく混乱していたようだからね。状況を把握すれば、自然と周りを見れる余裕が出来るものだ。今、私と話しているように」
そうローブの人物は微笑む。静かだが、よく耳に残る声だ。男性と思うには高い。けれど、落ち着き払った穏やかな声音のせいか、まだ性別に曖昧さがあった。

アドニス「…無礼を詫びよう。俺はアドニス。心身を鍛えるための修行の旅をしている。といえば、聞こえはいいが。基本的に友人たちと楽しく旅行している冒険者だ」

??????「…君、吸血鬼だよね?そこのメイドさんもゾンビのようだし。随分と変わっているね。…失礼。職業柄、どうも驚いてしまってね。私は凶悪なモンスターを狩る生業をしていたんだ。しかし、石化の瞳を持つ化け物とうっかり目が合ってしまい…それから私は……私は一体どれくらいの間、石になっていたのだろう…?」

ジル「さあ?クリスは地殻変動で突然浮上したネフィアから発掘された古代の像と言っていましたけど。それ以上はわかりませんよ」

??????「そうか…」
ショックを受けたように沈んだ顔をするローブの人物。少年たちは何か言葉をかけるべきか、心配した目を向けると、それに気づいたアクアマリンの瞳は穏やかに笑んだ。

??????「大丈夫さ。私はこうして起死回生した。それはすごく良い事じゃないか。そうだ、お礼を…まあ、お礼というより。お願いかな?良かったらだけど、私を君たちの旅に同行させてもらえないか?こう見えても一流のハンターとして名を馳せた魔法使いなんだ」

アドニス「大歓迎です。むしろ、俺からお願いしたい。魔法をメインで扱うひとが居なかったし。ちょうど新しいPTメンバーを探そうと思っていたんだ」

??????「…彼は?」

ジル「僕はマスターの下僕ですけど?」

デイビッド「そして、アッシのパパでやすよ」

ジル「…はい、パパでいいですよ。このまま彼女のことは坊ちゃまにお任せしてよろしいみたいですね。それでは、僕はそろそろ失礼させていただきます」 魔術師は優雅に礼をし。姿を消した。

??????「…本当に最近の吸血鬼は変わってるね」

ルシアン「あいつは吸血鬼とか関係なくおかしいから、気にしないでくれ。…えっと」

??????「あ、すまない。名乗ってなかったね。私はベアトリクス。気軽にベアと呼んでくれ。君は…ルシアンくんで合ってるよね」

ルシアン「…え、はい。よ、よろしくお願いします。ベアトリクスさん」

ベアトリクス「ベアでいいよ。それにもっと砕けた感じに話していいよ。ふふ」

ルシアン「は、はい…いや、おうよ!」(なんだこれ…すごく緊張する…!?)

アドニス「…?」

 



ベアトリクス「ステータス表を作成したが…うーん。だいぶ身体が鈍っているみたいだ。粉骨砕身しないとな」

デイビッド「さっきまでカッチカチの石像でやしたからね~。…この瞳術師ってのは何でやしょう?」

ベアトリクス「生まれ持った魔眼を使いこなせる魔術師のことさ。石化の瞳を持つメデューサの血を引いていると言われたけど…本当のところはわからないな」

アドニス「俺が知るかぎりでは、メデューサと呼ばれる種族にはそんな能力はないようだが…?」

ベアトリクス「おやおや。月日の流れと共に石化の力を失ってしまったのか。私を石に変えた存在がそんな風になってしまうとは。栄枯盛衰とはいえ、少し寂しいね」

 

メデューサ系は魔法戦士なのに、一切の魔法使わないんだよな。elmでは麻痺の矢を使用し。残り60ターン以上の麻痺が石化と表示されていたが…。私が知るかぎりでは他ヴァリアントで採用されてないんだよなー。
職業はドルイドにしようと考えていたが。導入していた追加職業の中にある瞳術師を見て、こっちの方がメデューサのイメージにぴったりだと思ったので、瞳術師に。職業スキルで混沌の瞳を使えるのも理由のひとつだけど。

 



ベアトリクス「魔法も今扱えるのはこれぐらいだね」

ルシアン「充分、お強いと思うぜ…」

デイビッド「おおー!姐さんって呼んでいいすか!」

ベアトリクス「構わないけど…アネサン?」

デイビッド「姐さんのように美しい。素敵な女性への尊敬を込めた名称でやすよ」

ベアトリクス「それは良いね。ありがとう」

アドニス「…俺もベア姉と呼んでも?」

ルシアン「ええー。俺のことはお姉さま♥と呼んでくれないのにー」

アドニス「ルシアンは阿呆だろうが」

ベアトリクス「うふふ、私が姉か。…ルシアンくんは私の事をなんて呼んでくれるのかな?」

ルシアン「え…いや、その……ベア…さん。で」

ベアトリクス「ふふふ。私は本当に良い出会いが出来たと思うよ。まさに千載一遇だ。改めて、これからよろしくお願いするね」

 

やっと登場のヒロイン。これで回復面が良くなるはず。
混沌の瞳、治癒の雨、ライトニングボルト、知者の加護と良い組み合わせだが…残り2枠にファイアボルト、アイスボールを覚えさせる予定です。生命力10のアドニス以外の生命力は普通だからな。ちょっとだけ趣味構成にしても大丈夫だろう。…たぶん。
装備が整い次第、いくつかのサブクエ&死者の洞窟に挑んでいきましょう。

 

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