聖騎士吸血鬼の伝説15 ノースポイント-シャイニング・トマホーク-



デイビッド「おお、猫ちゃん!ボス、アニキ。猫ちゃんがいっぱいですぜ!」

ルシアン「そうだな~…いや、多くね」

アドニス「母上が見たら喜びそうだ」

ルシアン「めっちゃ俺たちに攻撃してくるし。なんか増えているように見えるんだけど…」

アドニス「そういえば…父上の研究ノートか、旅行記に書かれていたな。塊の怪物と呼ばれるドレイク種。ドラゴンの子供だが、突然変異でその姿形はスライムのように不安定で、分離した肉片から別個体を増やすという。バブルによく似た性質だが、その生命力は高く。倒しきれない場合、視界を埋め尽くすほど増殖し。数に圧倒され、ミンチにされる冒険者が多い。そして、時に別の生き物に擬態することがある…と」

ルシアン「キャットトラップとは…。猫好きが多いイルヴァの住民にとっては恐ろしい話だな」

デイビッド「そりゃ気をつけませんとね。アッシ、猫ちゃんを見るとつい気を緩んでしまうんで」

アドニス「デイビッドは猫好きなんだな」

デイビッド「昔からの大切な友達…家族みたいな存在だったんで」

アドニス「俺も母上の沢山の猫に囲まれて育ったから、家族みたいに思えるよ」

デイビッド「今はアッシにとっての家族は…パパと猫ちゃん、そして盃を交わした兄弟であるボスとアニキですけどね。アッシは幸せ者っすよ」

ルシアン「ということは、俺は頼れるかっこいいお兄ちゃんだな!」

アドニス「ペットの犬だろ」

ルシアン「ええー。そこは物心ついた時から気になるキュートな幼馴染だろ」

アドニス「願いの杖で性転換した変な幼馴染だろ」



ルシアン「これでラ~スト。いやー最初からクライマックスだったな~」

デイビッド「流石アニキ!どんどん増える奴らを殴っては殴る、引かぬ姿に痺れるっすね!」

アドニス「…」(ほとんどルシアンがダメージを与えて弱らせていたな。俺とデイビッドだけだったら、逃げる選択になっていただろう。やはり………)

ルシアン「アドニス?」

アドニス「………お腹空いた」 アドニスは腹が減ってほとんど死にかけている。

ルシアン「え?あ、”また”餓死中になっているじゃねーか!?」

アドニス「その方が食事経験値が高いんだ…!」

ルシアン「確かにそーだけど…。あんま無茶すんなよ。まだまだ成長期なんだから、背が伸びなくなるぞー。…そのまま小さいのも可愛いけど」

アドニス「伸びる。父上は2mぐらいあるから、伸びる」

ルシアン「ははは、頑張れ頑張れ」

 


エイリアンはアドニスの口の中に何かを送り込んだ!あなたは寄生された。

アドニス「え…?お腹に何かが…」

デイビッド「ボス、また腹が減ったんですかい?アッシが何か作りやしょうか。メイドっぽく!」

アドニス「違う…エイリアンの触手が少し、口の中に入り込んで……気持ち悪い」

ルシアン「寄生じゃねぇか!?早く毒薬とか、硫酸、染料でもいい。早く飲むんだ!」

アドニス「…」
少年は躊躇うように手持ちにあった硫酸を見つめる。だが、そうしている間に己の内側でまた何かが動く感触がした。それに恐怖を感じ、アドニスは一気に瓶の中身を飲み干した。喉から食道へと細胞が破壊される焼かれるような痛みと共に、何かが逃げ出そうと中で暴れ…すぐに収まった。何かは溶けたのだ。

アドニス「…はぁ。硫酸は2度と飲みたくないな」 傷は徐々に自然治癒していくが、焼けるような後味の悪さはしばらく残りそうだ。

ルシアン「大丈夫?口直しに俺のおっぱい飲む?」

アドニス「変態かっ!」

 

*リアルの硫酸は大変危険です。エイリアンに寄生された場合に飲まないでください。

 



アドニス「最深部らしいな。…なんだか熱いな?」

デイビッド「奥からカーンカーンと叩いている音が聞こえますぜ。まるで武器を鍛えているみてぇな…まさか、こんな密閉空間に鍛冶場が?」

アドニス「だとしたら、危険だな。ここを禁じられた坑道に変えた元凶かもしれない」

ルシアン「塊の怪物とエイリアンの襲撃を突破した俺たちだ。どんな奴らが出ようが平気へっちゃらさ!」


罠が仕掛けられた廊下を進み。赤の洗礼者と交戦する一行。だが、アドニスの耳はある音を捉えた。…これは壁を破壊した時に響く音だ。


ロブス「首を差し出せぇえええええええええええええええっ!!!
そんな叫びと共に、斧を持った小男が背後から勢いよく現れ。アドニスとルシアンに暗黒の光線を浴びせた。

アドニス「ぬぅおわあっ!?」

ルシアン「うわあああああっ!?目が、目がーっ!?見えねぇけど、妖怪クビオイテケ!?」

デイビッド「アニキ。ドワーフのおっさんっすよ」
ロブス「さあ、首を差し出せ!うまく使ってやる!」

ルシアン「何に使う気だー!?」

アドニス「髑髏の盃に?」

デイビッド「人間椅子ですかね?」

ルシアン「うわーこえー!」
ロブス「うるせえクソガキ共だ。四の五の言わずに作品の糧になりやがれ!」

ルシアン「ならねぇーよ!てめーは俺の拳の錆にしてやるよ!」



ルシアン「と、言ったものの…俺は今、目隠しプレイ状態なんだ。坊ちゃんデイビッド頑張って~」

デイビッド「アニキ。カッコ悪いですぜ」

アドニス「うん、ダサい。情けないルシアンの代わりに俺たちが活躍してやろう!」(俺だって、それなりに鍛えているんだ…)
連射弾をセットし。アドニスは機械のマニの恩恵である、みだれうちを発動させた。銃口から凄まじい量の弾が放たれ、周囲にいた赤の洗礼者と炎の信奉者をミンチにした。だが、ロブスは無傷だった。いや、弾は一応当たっている。そう見えるほどのかすり傷にしかならなかったのだ。
ロブス「使えないな…邪魔だ」
ドワーフは頬が膨らむほど息を吸い。地獄のブレスを吐き出した。逃げる暇もなくアドニスは正面から受けてしまった。生命力を吸収され、失った体力に身体がふらつく。急いで回復ポーションを取り出して飲む、どうするべきか思考しようにも…はっきり理解していた。火力が足りない。そう悟った少年の目に映ったのは、盲目状態が解けたルシアンがロブスに殴りかかる姿であった。


弧を描くように宙を切る斧の刃、ロブスの懐に入り込もうと接近していたルシアンは避け切れず、横腹から血が噴き出した。しかし、まったく退かず。拳を顔面に叩きつける。ロブスは僅かによろけるが、強く握った斧の柄を離さず。再び凶刃を振るう。これも回避できず、ルシアンの腕から鮮血が流れる。手までぬるりとした血液が滴り、その気持ち悪さに今すぐ拭いたいと思った。だが、それでも、ルシアンは硬く握った拳を解くことなく、殴り続ける。
ロブス「いいぞ。いいぞお前!」
猛攻によって、ロブスは見る見る追い詰められていく。だというのに、ドワーフは最高そうに笑っていた。ロブスが持つ瘴気を纏った斧《スクリーム》は強者の悲鳴によって鍛えられていく。なかなか悲鳴を上げない強者ほど、完成に近づけるかもしれないと期待したのかもしれない。

ルシアン「なに、笑ってんだよ。てめぇみたい奴はな…早く世のためにミンチになりやがれっ!!」
———確かにルシアンはロブスが求める強者だったのだろう。


ルシアンは禁忌の槌『ロブス』を殴って軽い傷を負わせた。禁忌の槌『ロブス』は氷の彫像になった。

アドニス「…やはりルシアンは強いな。だが、カッコ悪さと合わせてプラマイゼロだな」

ルシアン「どういう計算!?」

デイビッド「アッシは…恐れ入りやしたね。あんな禍々しいオーラを放っている斧を振ってくる相手にまったく臆することないアニキの姿には惚れ惚れと、心臓がどっくんどっくんしやしたぜ」

ルシアン「あ、ありがとう?まあ、昔から修行しててさー。大斧をブーメランみたいに投げてくるクソ親父と比べたら怖くない怖くない」

アドニス「何度か会った事あるけど、お前のお父さんが怖いなんて想像つかないな」

ルシアン「………まあ、そんなことどうでもいいだろう。飯食って一休みしたら、次に行こうぜ次」

アドニス「…」

 


実は初見クリアして、あれ…?アドニスとデイビッドのみでいける難易度?と、やり直したら…ボスどころか、道中でアドニスが何度もミンチになる結果に。この難易度に挑めるのはルシアンのおかげなんだなと実感した。2人をもう少し育成してから挑む、という手があったが。そう考えるには面倒くさい気分になっていたので…。ルシアンに殴り倒してもらった。
いつもコレクション目的で信仰リレーするだけのマニ様だったけど、みだれうちを使用してみると楽しいね。

 



アドニス「本当に街がある…?」
特殊部隊から救援依頼が来たという場所に訪れると、そこには王都パルミアに劣らぬほどの美しい街並みと整備された石畳の道が広がっていた。

ルシアン「あれこれ考えている暇は無さそうだぜ…!」
街の住民らしき人間たちは皆揃って怒りの形相を浮かべ、こちらに殺意を向けている。会話を試みる隙を見せたら、一気に袋叩きに…。いや、既にされようとしているのか。容赦なく飛んでくる銃弾と矢。そして魔法攻撃。少しでも回復するタイミングが遅れたら、あっという間にミンチにされるだろう。このまま街の中心に立つのは危険かもしれないと、アドニスは安全そうな場所を探しに動いたが…



アドニス(なんだ…?人間の血の匂いするけど、新鮮というよりもう死んでしまったような……アレは?)
建物の中に何か白いものが見えた。よく見るとそれは山積みされた人骨で——

ルシアン「アドニス!あぶな」

アドニス「え?」
大きな衝撃が脳を揺さぶる。鈍器に打たれたのだ。気を取られていたせいか、アドニスは受け身を取ることが出来ず。ふらふらと前後に身体が揺らして倒れた。ルシアンとデイビッドの声が聞こえた気がしたが、それに答えることが出来ず。アドニスは気を失った。

 


目が覚めると見覚えがある木造の天井が少年の瞳に映った。ここはギルドから貸与された倉庫だ。

デイビッド「ボス!良かった~…吸血鬼って息してないすから、生きているのか死んでるのか、目覚めないじゃないかと、アッシはもう不安で不安で」

アドニス「心配かけて、すまない…。でも、大丈夫だ。俺はこの程度では完全に死なない。心臓を抜かれて杭を刺される。とか、されないかぎりはな」

デイビッド「わーお、そんなことをされたらどんな奴も死にますぜ。…ゾンビはわりと平気かもしれませんけど。アッシはやっぱ定番の脳みそ破壊なんすかね?」

ルシアン「なんか物騒な話はその辺に置いて…。アドニス。倒れる直前に何か気にしてたけど、何を見たんだ?」

アドニス「建物の中に大量の骸があったんだ…それに死臭が強くて。俺たちを襲ってきた人間は本当に人間だったんだろうか?」

ルシアン「俺も。一応、拳で直接触っているからさ。なんか人間の身体を殴った感触ではないような…。気味の悪さがあったな」

デイビッド「あの包囲網をどうにかして、先に進まないと何もわからないすね」

アドニス「…一旦、ノースティリスに帰ろう。この現状では先に進むのは難しいだろう」

ルシアン「そうだな。俺たちはまだまだ成長期さ。いつか雪辱を晴らすぞー!」

デイビッド「おー!」

アドニス「おー!」(戦力はルシアンに頼りきりだ。俺もデイビッドも、もっと力をつけて…それに回復役。新しい仲間を迎えることを考えるか…)

 


街の住民と傭兵軍団。両者共、強いな。けっこう頑張ってみたが…すぐ半分以上もHPを削られて。休む暇も無い。実は次の階層まで、もっと粘っているが…現状きついね。