聖騎士吸血鬼の伝説10 アドニスと白夜の古城



ルシアン「ふふ…ウィンハール、または”夜を知らぬ城”にようこそ。アドニスくん」 ねっとりとした口調でそう言い放ち。ルシアンはそれっぽく一礼した後、気取った動作で片腕を上げた。多分、マントを払ったポーズなのだろう。

アドニス「滅びよ!ここはお前の住む世界ではない」 ルシアンに向かって、両腕をクロスさせ…ふと、アドニスは冷静な顔に戻った。「いきなり遊ぶな。ウィンハールって、なんだよ?」

ルシアン「ふっふっふっ。知りたいか、なら教えてくれてやろう!謎に満ちたナーク・ドマーラから存在し続けているというワイナンについて!彼はウィンハール、または”夜を知らぬ城”に住む道楽貴族だった。チェスとワインに傾倒し。マトモな治世をしてなかった影響か。城下町は賭博とえっちなことに堕落したという。それはダルフィに関わりが…」

アドニス「…」(ルシアンはこういう話は大好きだったな。これは…長くなる!)「そ、そうか。それはすごいな!それなら、こんなところじゃなく。城主の間を早く見に行こうじゃないか」

ルシアン「うん?…確かにそうだな。よし、最奥へ突撃だー!」

 



ルシアン「っと、急に扉のところで立ち止まるなよ」
その答えを見せるようにアドニスは振り返った。元々白い肌はより青白く、薄い色の唇を彩るように赤い血が滴っていた。

ルシアン「うわあああっ!?」

アドニス「ごぷっ…毒がなかなか治らない…」

ルシアン「ギリギリまで耐えるなぁ!素直に回復ポーション飲めっ!!回復効果だけじゃなく、状態異常の治りも早くなるんだぞ!」

 

生命力10には毒が恐ろしい…。ポーション使えばいいのだが、ついつい毒消えて自己回復するだろうとギリギリまで飲まない(怠惰ですねぇ)

 



アドニス「素晴らしい…愛らしい犬がこんなにも俺たちを囲んでいる」

ルシアン「坊ちゃん。和んでいる場合じゃないと思うんだけどー」

アドニス「わかっている」
少年はテレポート防止エンチャントが付いた長剣を装備から外し。テレポートの杖を上空に向かって振るい、魔法を発動させた。



アドニス「…!」
移動した先は次の階層への階段がある部屋だった。だが、それに安堵する暇も無く。立ち塞がる幻惑ハウンドにアドニスは緊張する。けれど、残されたルシアンがブレスの嵐に飲み込まれる姿が思い浮かび。急いで紐を使用して、彼女を引き寄せた。



ルシアン「おお、助か…って、こっちにも幻惑ハウンドがいるじゃねぇかーーっ!!」
そう言い放ったルシアンは冷気を纏った拳をハウンドに叩きつけ。更に蹴り飛ばす。倒れたハウンドは痙攣し、口から泡を吹いている…足装備にエンチャントされた毒追加攻撃も効いているようだ。

アドニス「流石だな。俺が幻惑ブレスを浴びたら、耐えられるか…正直、不安だったからな」

ルシアン「耐性が整ってないんだ。誰だって、何度もブレスくらったらミンチになるさ。素早く判断して逃げる!すごく良い動きだったと思うぞ」

アドニス「…」 その言葉に少年は小さく笑って、礼を言おうとした瞬間…———扉が開かれた。


ブレスはルシアンに命中した。ブレスはアドニスに命中した。アドニスは悲痛な叫び声をあげた。

ルシアン「くそーっ!しつこいわんわんだぜ!」
扉の間から見える無数のハウンドの狂暴な瞳。今すぐこの部屋に飛び込もうと、身体を押し合いながら、激しく唸っている。ルシアンは混乱にふらつくアドニスを庇うように、扉の前へ立ち。身構えた。アドニスは体力回復ポーションを飲みながら、同じブレスを浴びながら瀕死になっていないルシアンを見つめた。

アドニス(…俺とルシアンは違う、じゃないか)
己への落胆と胸を締めつける痛みを感じながら、少年は急いで階段を降り。それを確認したルシアンも次の階層へ移動した。

 



アドニス「ここが城主の間…ポーン、ナイト、ビショップ、ルーク、クイーン、キングが並んでいて、チェス盤みたいだな」

ルシアン「本当にチェス大好きなんだな~。俺はまったくルール知らんから、とにかくぶん殴るけどな!」

アドニス「お前らしいなぁ。あまり突進するなよ。奥にはワイナンがいる。乱戦になったら…いや、別にルシアンなら平気かもしれんが」

ルシアン「…?」


駒たちを粉々にし。奥に進むと、本当のキングが現れた。古城の主『ワイナン』。武装した馬に跨り、歩むたびに、えんじ色のマントが優雅になびく。金の装飾に縁取られた白の甲冑を纏い。その手に握るのは、血に塗れたように赤々と妖しい輝きを放つ斧槍《ランキス》だ。

ルシアン「おおーかっこいい!」

アドニス「《ランキス》には時止めと、地獄追加攻撃がエンチャントされている。俺に当たったら…いや、こちらの動きを止められている間にHPを一気に削られてしまうだろう。気をつけろ。…俺は後方に居る」

ルシアン「おう。前は任せてくれ」(…やっぱり。なんかテンション低いな。いつもクールな方だけど…ボス戦なのに、他人事みたいに冷めてないか?)



ルシアン「でぇいやぁぁあああっ!!」
右ストレートをぶつけ、ルシアンは馬上から突き出される《ランキス》を避ける。空振りした槍斧を持ち直す前に、ルシアンは身体を捻り、もう片方の拳を叩きつける。

アドニス(2発目で、あんなにダメージを与えている…。俺もマジックミサイルの杖を振っているけど、かすり傷すらなっていない気がする…)



ルシアン「ぐっ…やるじゃねぇか!」
《ランキス》の一撃だけで、重傷を負い。よろめくルシアン。更に追撃のアイスボルトによって、手が凍える。冷たさで指先の感覚が鈍い…。だが、それでも拳を作り。ルシアンはワイナンに向き合う。すると、温かな光が彼女の身体を包んだ。傷が癒えていき、体の調子が良くなってきた。

ルシアン「坊ちゃん、ナイスー」

アドニス「…っ」
癒しの手の杖を握りながら、少年は安堵したように一息ついた。

アドニス(悩んでいる場合か…!俺は守られるんじゃなくて、守る強さを得るために旅に出たんだ)「…ありがとう。ルシアン」

ルシアン「うん?なんで俺に礼を…??まあ、いいや。坊ちゃんの声援にパワーを注入されたぜー!」

アドニス「何を言っているんだ…」


ルシアンは古城の主『ワイナン』を殴って殺した。

ルシアン「はははははっ!この城は俺たちのものだ!」

アドニス「住むなら、ルシアン1人で引っ越ししてくれ」

ルシアン「ええー」
いつもどおりの様子になっているルシアンは安心し。言おうとしたことを忘れようと思ったが…やはり言おうと口を開いた。

ルシアン「俺に1人とか無理無理。昔、くそ親父と喧嘩して家出したけど。なんか寂しくて、すぐ戻ったんだ。こんな遠くまで冒険できるのはアドニスが旅を出たおかげで…。まあ、なんというか。これからも末永くよろしく。ってことで~」

アドニス「どうしたんだ。急に……」(なんか妙な空気になっていないか…?)「う、うむ。ワイナンを倒したことだ。次は新居である小城を建てに行くぞ!」

 


幻惑ハウンド部屋 2:55 ワイナン戦 5:09
今までボス戦から録画していたが、アドニスでは道中→ボス戦を通しで挑んでみることにした。予想以上に波乱があって、楽しかった。毒はよくあることだが、幻惑ハウンドはホントよく切り抜けたと思う。