ある日の平和な平原にて

 そいつはいつも微笑んでいて、
 そいつはいつも俺の側にいる。
 背後から抱きついてきて、
 いつもドキドキさせられる・・。
 温度がない、冷たい手。
 視界に映る髪は、俺と同じ銀色。
「あなたと私は一心同体なのです・・」
 と耳元で囁いて、
 それに俺は、
 俺は、
「いい加減にしろ!元祖変態が!」
 と、怒鳴りつけて、その元祖変態男に殴りかかる。が、すり抜けた。
「この程度で動揺するとは、まだまだですねぇ」
 胸にシェゾの腕が入っているのに、まったく気にする様子なく話すルーンロード。
「何事も平常心ですよ。でないと、簡単に・・」
「な!?」
 目の前から消えるルーンロード。
 どこにいった。
「背後を取られますよ」
「ひゃ!?」
 思わず変な悲鳴をあげるシェゾ。
 自分が出した声に、顔を赤くするシェゾ。けれど、顔を赤くしたのは要因は他にもある。
「どこを触っているんだ!?」
「どこって・・ここですが・・」
「だから、何触っているんだ!!」  再びシェゾの背後から抱きつくルーンロードは、シェゾの服の中に手を入れていた。直接肌に冷たい手の感触がし、ぞわぞわと鳥肌が立つ。
「あなたの胸を」
「変態だろ、貴様!」
「隙を見せたあなたが悪い。大人しくしてください・・良い声で啼いてくださいよ」
「ふざけっ!?」
 ごきっ!!
 ものすごい音が、自分の身体から聞こえてきた。骨でも折れたかと思うほど、嫌な音だ。
「いってぇぇ!?何をした!!?」
「何って・・整体ですが、これをやると楽になれるようですよ」
「楽・・って、どっちの楽だぁぁぁ!?ぐあああぁぁぁ!!」

 しばらく間。平和な草原から、ごき、ばきぃ、不気味な音が響き渡ったという・・・。

 

2010/1/21