ぷよ魔導

喧嘩

きっかけはわからない。  ただお互い腹が立った。それだけだ。  シェゾは呪文を唱える。右手から炎が吐きだされる。  襲いかかる炎にルーンロードは、まったく避ける様子なく冷たく微笑を浮かべる。炎に飲み込まれる。  激しく空に向かって燃える火柱。  普通の人間なら丸焦げどころか消し炭になってしまうだろう。だが、シェゾは油断しない。奴は元闇の魔導師…  かつて魔神、悪魔を従え、魔導都市ラーナを一夜にして...
ぷよ魔導

いたちごっこ

暗い。  熱い。  どくどく、と血管が流脈する音が聞こえる。 「・・・っ・・ぁっ・・」  冷たい石畳に広がる、ゆるくウィーブがかかった髪。美しい銀色なのだろうが、泥と血に汚れ、本来の輝きを失っていた。  白い魔導服も同様に汚れ、破れた服の隙間から見える切り傷から血が流れている。  ぴくりと、長いまつげが揺れて閉じていた白い目蓋が開く。  深い青色の瞳に暗い地下牢の道が映る。  気を失っていた。  ...
ぷよ魔導

クリスマスの恒例行事

「・・・・」  サタンはしばらく無言で立ちつくしていた。  目の前にあるそれに、  目の前にあるそれに、 「すーすー」 「ぐぅ・・ぐぅ」  カーバンクルを抱き締めて眠るアルル。  可愛いねこ模様パジャマを着ていて、襟元からのぞく白い鎖骨も可愛くて・・・。 「むむぅ・・!」  寝顔を見るだけのつもりだったが・・。  可愛い。可愛すぎる。  なんて可愛いんだ。  このまま抱き締めて、キスをしてしまいた...
ぷよ魔導

ウィッチの夢

「あなたが…ほしいですわ」  いつもどおりな、平和な午後。  シェゾを待ち構えていたウィッチは、いつもどおりセリフを言った。 「…いいぜ」 「え?」  シェゾはそう答えた。  自ら服を脱いだ。  すがすがしいほど、ばさっとパンツ一丁の姿になった。 「ええ~!!?」  顔を真っ赤にするウィッチ。  シェゾはウィッチを押し倒した。 「さぁ、俺が欲しいだろ…」 「え、え?あ、あの……」 「おのれ!闇の魔...
ぷよ魔導

闇のち晴れ

愛情ってなんだろう。  相手を思いやること?真剣に向きあうこと?  どっちにしろ・・・。 「だあぁぁーっ!離れろ。うっとうしい!」  シェゾはそう叫んで、背中にべったりと貼りつく文字通りの背後霊から離れようとする。 「おや?嫌ですか?」 「なにが優雅に、おや?だ!嫌に決まっているだろう!」 「私は気持ちいいのですが」 「貴様は、な!なぜ男同士でくっつきあわなければならん!気色悪いわ!」  まだ身体...
ぷよ魔導

酒と温泉と闇の魔導師たち

気持ち良そうだ。そう思った。  目の前にはふわふわと浮かぶ白い湯気。適度に熱い湯。  温泉だ。  偶然であった。シェゾは闇の魔導師として己の魔導力と技量を高めるため、森へ遺跡へ街へ歩き。  気がついたら山奥まで修行していた。よく気がつくと知らない場所にいる。  彼にとっては日常的ことであった。  近くに宿は無かったはずだ。  誰も知らない天然ものか・・・ちょうど疲れてるし。入るか。  シェゾは肩の...
ぷよ魔導

SSS1

輝ける高貴なる花  その娘は美しい、美しい娘だ。  豊かなサファィアブルーの髪。閉じられた白い目蓋。まだ未成年と思えないほど、熟した身体。  一番部下であるバンパイアが選んだだけあって、私の好みどおりの処女だ。  ベットに上を横たわり無防備に見せる寝顔に、無意識に手を伸ばしてしまった。  柔らかで暖かい肌。  それに自分の手の冷たさに気付いてしまう。  その違いに、娘から離れる。  この娘はただの...
ぷよ魔導

甘くなる午後

「キミはどんな魔導師になりたいの?」  そう聞かれた。  突然で、言葉の意味を理解するのに少し時間がかかった。 「なぜそんなことを聞く?」  読んでいた本のページから視線を移して、シェゾはいつのまにか横に立っていた少女を見た。  午後の柔らかい光に淡く輝く茶色の髪。琥珀の瞳はじっとこちらの目をのぞきこんでいる。  俺の得物である女・・アルルだ。 「なぜって、聞きたいから・・言いたくない?」 「・・...
その他

BSRログ1

空箱

落書きログ1