クレイモア吸血鬼の旅行記87 ロストランド-ドゥーム前編-


渡し守「ひっひっひっ…小さなメダル1枚でいいところに連れて行ってあげよう」

アネモネ「いいところ……ふふっ、それは素晴らしい。是非、連れて行ってくれ」

エリザ「あなた…何を想像しましたの…?」

アネモネ「は、ははは…エリザ、そのつねろうとする指を下げてくれないか… それでは、そなたは何があると思う?」

エリザ「…猫がいっぱいなところかしら。白猫、黒猫、三毛猫…とよりどりみどりで…自由に気ままに遊んでいて……うふふふ、猫……♥」

マリー「どうしたんだ…?」 恍惚とした表情でどこかへ意識が飛んでしまった少女に、バンパイアハンターは戸惑った。

アネモネ「エリザは大の猫好きでな。猫のことになると、少々…周りが見えなくなるのだ。しばらく、そっとしておこう。…マリーは”いいところ”とは何だと思う?肉が腹いっぱいに食えるところか?」

マリー「そんなに肉ばっか食べてないぞ。野菜も一応…少しは食べている。…私は家族や友人、みんなが笑顔でいられるのが、いいところかな」

アネモネ「なんとも甘ったるいな。…だが、嫌いではない」

 



マリー「神々から追放された者が封印されたダンジョン、ドゥームにようこそ!!最強の敵にあなたはどこまで戦えるでしょうね。命が惜しくないのであれば、存分に楽しんでください。健闘を祈ります」

アネモネ「そなたは突然、何を言い出しているのだ…?」

マリー「いや、看板にそう書かれていたんだ」

アネモネ「誰が書いたのだ…混沌の神か?まあよい。ふざけた注意書きをしおって、すべてミンチしてくれるわ!ふはーはははははっ!」

 


グリムリーパー「こんにちは、しね!」

アネモネ「ぬわーーーーーっ!?」
禍々しい光を放つムーンゲートを通ると、天罰、死の宣告、沈黙の霧など、デバフの嵐が吸血鬼に襲いかかった…!



ドラクル「我が主に…無礼な奴でございますね」

アネモネ「まったくだ。我が契約し、いつも力を与えてくれる死神とは大違いだ。可愛げない」

ドラクル「ええ、お嬢様を想っている死神とは違いますね。ミンチにしてやりましょう」

アネモネ「う、うむ。そうしてくれよう」(…何かぞわぞわする)


ドラクルは救世の審問官『グリムリーパー』を射撃し 破壊した。

ドラクル「笑止…お嬢様の髪の毛1本もあげませんよ」

マリー「あいつは誰のものでもないよ」

ドラクル「…そうでございますね」

アネモネ「…?」 ふたりの間に流れる不穏な空気に吸血鬼は口を開こうとしたが…
グリムリーパー「しねしねしね~」「シネシネシネ~」 妙にテンポ良く、陰気に死ねを連呼しながら現れる2体の死神たち。

アネモネ「愉快に歌え!出来ぬなら、絶叫を奏でよ!」

エリザ「陽気に歌われても嫌ですわよ…」

 


グリムリーパーが3体…来るぞ!デバフがなかなかうっとうしい(次のボス戦のために天罰消えるまで休憩し続けた)
ドゥームのボスたちは3体も出てくるんだよな。同時に相手するか、1体ずつ撃破するのか…で、難易度が変わるね。ふと、VP2の本気ディルナを思い出した。1回は勝てたが、2週目?ご勘弁を。

 


喧しいグリムリーパーたちをミンチにし。新たに現れたムーンゲートの先に進むと、でこぼこした分厚い甲羅に覆われた巨体が見えた。鋭いハサミのような手を威嚇するようにこちらに向けている…それは、

アネモネ「おお、カニであるな~ 幸運の女神が大喜びしそうだ」

ジル「でっかいですね!茹でるのが大変そうですです」

マリー「解体すれば、なんとか鍋に入るんじゃないかな」

エリザ「あなた達…食べる気満々ですわね」

アネモネ「そうか、エリザは食べないのかー 仕方あるまい。我らだけで食べ尽くすぞー」

マリー「おー!」

ジル「おー、ですです!」

ドラクル「おー、ございますね」
「うみゃみゃー!たらばがに!」

エリザ「わ、私も食べますわよー!」(うん?知らない声が混ざっていたような…?)



マリー「えらい勢いで酸を吐いているんだが…ちょっと食べるのが不安になってきたぞ」

エリザ「吸血で少し味見しましたけど、ちゃんとカニの味でしたわよ!」

マリー「そうなのか。…あんな硬そうなものを噛めるなんて吸血鬼の牙って頑丈なんだな」

アネモネ「我はやったことはないが…エリザは鉄の処女にも噛みついていたからな。カニの甲羅に穴を空けるぐらい簡単なのだろう」

マリー「けっこう突拍子もないことをするんだな。彼女は…」

アネモネ「そこも良い」


*ブシュッ* エリザは蟲毒の主『ドゥレンダラー』の首をちょんぎり 殺した。

アネモネ「ふふふふふふっ…ふははははははははははっ!カニだ!カニであるぞ!早速、茹でて食べるぞ!」

マリー「もぐもぐ…うんまい。いくらでも食えるな」
「うみゃー」 愛らしい声が聞こえた方を見ると、じっと見つめる赤い瞳があった。ふわふわとした黒い毛並みの猫だ。

アネモネ(なぜ猫が…?幸運の……まさかな)「沢山あるぞ。食べるといい」 そう言うと、黒猫は己より遥かに大きなカニの身を*もぐもぐ*と食べる。満足したように、うみゃん、と鳴き。吸血鬼の肩に乗るとその白い頬をぺろぺろと舐めた。

エリザ「…私もぺろぺろ…」

アネモネ「…っ!」

エリザ「猫にぺろぺろされたいですわ…」

アネモネ「…」(まあ、そうだよな…)
吸血鬼は少し…いや、わりと落ち込みながら、目の前で皆が美味しく楽しくカニを食べている光景に、マリーが言っていた”いいところ”を思い出した。

アネモネ(だが、幸運の女神は微笑んでいるかもしれないな)

 


蟲毒の主…きっと苛烈な生存競争で生き残ったカニなのだろう。グリムリーパーよりLV低いのに、硬いなぁ…と思っていたが、動画を見返すとブーストを使っているのか。