その他

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いたちごっこ

 暗い。  熱い。  どくどく、と血管が流脈する音が聞こえる。 「・・・っ・・ぁっ・・」  冷たい石畳に広がる、ゆるくウィーブがかかった髪。美しい銀色なのだろうが、泥と血に汚れ、本来の輝きを失っていた。  白い魔導服も同様に汚れ、破れた服の隙間から見える切り傷から血が流れている。  ぴくりと、長いまつげが揺れて閉じていた白い目蓋が開く。  深い青色の瞳に暗い地下牢の道が映る。  気を失っていた。 […]

クリスマスの恒例行事

「・・・・」  サタンはしばらく無言で立ちつくしていた。  目の前にあるそれに、  目の前にあるそれに、 「すーすー」 「ぐぅ・・ぐぅ」  カーバンクルを抱き締めて眠るアルル。  可愛いねこ模様パジャマを着ていて、襟元からのぞく白い鎖骨も可愛くて・・・。 「むむぅ・・!」  寝顔を見るだけのつもりだったが・・。  可愛い。可愛すぎる。  なんて可愛いんだ。  このまま抱き締めて、キスをしてしまいた […]

ウィッチの夢

「あなたが…ほしいですわ」  いつもどおりな、平和な午後。  シェゾを待ち構えていたウィッチは、いつもどおりセリフを言った。 「…いいぜ」 「え?」  シェゾはそう答えた。  自ら服を脱いだ。  すがすがしいほど、ばさっとパンツ一丁の姿になった。 「ええ~!!?」  顔を真っ赤にするウィッチ。  シェゾはウィッチを押し倒した。 「さぁ、俺が欲しいだろ…」 「え、え?あ、あの……」 「おのれ!闇の魔 […]

闇のち晴れ

 愛情ってなんだろう。  相手を思いやること?真剣に向きあうこと?  どっちにしろ・・・。 「だあぁぁーっ!離れろ。うっとうしい!」  シェゾはそう叫んで、背中にべったりと貼りつく文字通りの背後霊から離れようとする。 「おや?嫌ですか?」 「なにが優雅に、おや?だ!嫌に決まっているだろう!」 「私は気持ちいいのですが」 「貴様は、な!なぜ男同士でくっつきあわなければならん!気色悪いわ!」  まだ身 […]

酒と温泉と闇の魔導師たち

 気持ち良そうだ。そう思った。  目の前にはふわふわと浮かぶ白い湯気。適度に熱い湯。  温泉だ。  偶然であった。シェゾは闇の魔導師として己の魔導力と技量を高めるため、森へ遺跡へ街へ歩き。  気がついたら山奥まで修行していた。よく気がつくと知らない場所にいる。  彼にとっては日常的ことであった。  近くに宿は無かったはずだ。  誰も知らない天然ものか・・・ちょうど疲れてるし。入るか。  シェゾは肩 […]

SSS1

輝ける高貴なる花  その娘は美しい、美しい娘だ。  豊かなサファィアブルーの髪。閉じられた白い目蓋。まだ未成年と思えないほど、熟した身体。  一番部下であるバンパイアが選んだだけあって、私の好みどおりの処女だ。  ベットに上を横たわり無防備に見せる寝顔に、無意識に手を伸ばしてしまった。  柔らかで暖かい肌。  それに自分の手の冷たさに気付いてしまう。  その違いに、娘から離れる。  この娘はただの […]

甘くなる午後

「キミはどんな魔導師になりたいの?」  そう聞かれた。  突然で、言葉の意味を理解するのに少し時間がかかった。 「なぜそんなことを聞く?」  読んでいた本のページから視線を移して、シェゾはいつのまにか横に立っていた少女を見た。  午後の柔らかい光に淡く輝く茶色の髪。琥珀の瞳はじっとこちらの目をのぞきこんでいる。  俺の得物である女・・アルルだ。 「なぜって、聞きたいから・・言いたくない?」 「・・ […]

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